アレルギー性呼吸器疾患およびシックハウス症候群における気道上皮細胞の役割 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・シンポジウム13
慢性気道炎症における気道上皮細胞の役割
司会者:伊藤晴方1),Stephen I Rennard2)(1)岩手医科大学第三内科,2)University of Nebraska Medical Center, USA)

3.アレルギー性呼吸器疾患およびシックハウス症候群における気道上皮細胞の役割

中村陽一1),鈴木慎太郎1),前田健一2),小川博久3)
横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター1) 徳島大学 保健管理センター2) 徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 分子制御内科学分野3)


--------------------------------------------------------------------------------
 外来性異物により引き起こされる呼吸器疾患において,気道上皮は傷害の標的であると同時に,異物により最初に刺激を受けるエフェクター細胞でもある.

この原則は,気管支喘息や過敏性肺炎等のアレルギー性呼吸器疾患のみならずシックハウス症候群や化学物質過敏症にみられる呼吸器傷害においても同様である.気道上皮細胞はこれらの病態において,様々な刺激により活性化され,サイトカイン,脂質メディエーター等の液性物質の産生遊離や機能分子の発現により気道炎症を修飾すると考えられるが,本研究では,

1.アレルギー疾患の発症に必須と考えられるT細胞活性化への気道上皮細胞の関与の可能性,

2.化学物質刺激による気道上皮細胞の機能調節の可能性の2点に注目した.

結果として,1.ヒト気管支上皮細胞がHLA-DRやCD40を発現し,T細胞の活性化に関与し得ること2.トルエンジイソシアネートがEGFRおよびMAPkinase-pathwayを介して気管支上皮細胞からのインターロイキン8をはじめとする炎症性サイトカイン産生を誘導することを示す.

第55回日本アレルギー学会秋季学術大会 2005年10月開催