ナノマテリアルの安全対策5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・(3)ナノマテリアルの生体への影響
ナノマテリアルは近年急速にその利用が進んでいるものであり、あわせて生体への影響についても調査研究が進められている。

現段階では、ナノマテリアルが人の健康に影響を及ぼすという報告はない。

ナノマテリアルの生体影響についての研究が世界各地で行われているが、人の健康への影響を予測するために必要十分なデータが得られた状況には至っていない。
文献検索により現在までに得られているナノマテリアルの評価方法や安全性について調査した結果、in vitro 試験において、一部の物質に細胞毒性や細胞に対する増殖抑制等があることが報告されている。

生体(in vivo)の試験においては、マウスやラットを用いた試験で、一部の物質により一定の条件下で肺等に炎症反応等が生じることが報告されている。
そのうち、多層カーボンナノチューブについては、マウスへの腹腔内注入試験やラットの陰嚢腔内投与試験により腹膜中皮腫が発生したとの研究報告がなされている。

しかしながら、これらの試験では、多層カーボンナノチューブが一般的に推測されるばく露とは異なる腹腔内等へ高用量で投与されていること等から、安全性評価を行うためには、動物における生体内での長期間にわたる残留性等について、さらに詳細な研究が必要であると指摘されている。
文献調査の結果、以上のような科学的知見が収集されたが、ナノマテリアルの生体への影響に関する試験法や毒性評価の基準などが定められていないため、文献発表された断片的な結果の集積となっている。