養鶏場の消毒薬による急性中毒から | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ミニシンポジウム3
アレルギー性疾患に関する症例報告等(救急医療も含む)1
座長:橋本 修1), 徳山研一2)(日本大学大学院医学研究科内科学系呼吸器内科学1), 高崎健康福祉大学薬学部免疫・アレルギー学2))

MS3-9.養鶏場の消毒薬による急性中毒から化学物質過敏症を発症した1例

水城まさみ1) 山田博之1) 鈴木綾子2)
国立病院機構盛岡病院呼吸器・アレルギー科1) 常盤医院2)


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【背景と目的】鳥インフルエンザ対策のため,比内鶏の産地である秋田県では,オルトジクロロベンゼン配合の消毒を推奨している.今回動物用タナベゾール(オルトジクロロベンゼン含有)とパコマ(トルエン水溶液含有)による急性中毒から化学物質過敏症を発症したと考えられる症例を報告する.

【症例】94歳,女性.高血圧があるも,元気だった.

家の東側3mに比内鶏の幼鶏飼育舎が隣接している.

H20年5月より就寝中に異臭が鼻について,覚醒するようになり,その後,眼痛と眼瞼発赤,顔面浮腫,下肢の浮腫,しびれ,脱力をきたすようになった.

6月に動悸,めまい,歩行時ふらつきが出現.

症状が増悪するため,当院化学物質過敏症外来受診し入院.

入院時応答可能だったが,後日その時の記憶は殆どなかったことが判明.

病歴より何らかの薬品による急性中毒が疑われたため,タチオン点滴と酸素吸入を実施し,改善がみられたが,同室患者の湿布薬などに反応して動悸,めまい,脱力を起した.

緊急避難場所を確保し,在宅で酸素吸入とタチオン内服にて経過をみたところほぼ完治した.

【結論】トルエン,オルトジクロロベンゼンによる急性中毒症状を契機に,一定期間多種の化学物質に過敏に反応する状態となったと考えられた.

第21回日本アレルギー学会春季臨床大会 2009年6月開催