高齢者喘息の臨床的背景 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
気管支喘息 診断
座長:興梠博次(熊本大学大学院医学薬学研究部呼吸器病態学)

P1-2-9.高齢者喘息の臨床的背景

灰田美知子1), 小柳久美子1,2), 高松富佐子1,2), 橋口明彦2,3), 黒木宏隆2,4), 矢内純子2)
半蔵門病院アレルギー呼吸器内科1), 環境汚染等から呼吸器患者を守る会(エパレク)2), 株式会社BML3), バンビー薬局一番町店4)


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【目的】喘息死対策には高齢者の臨床的背景を把握する必要がある.
【方法】高齢者の多い講習会に参集した228名(男61,女167)に質問票を配布した.

平均年齢63.6歳,70歳以上95人(44%,A群);50-69歳83人(38%,B群):49歳以下40人(18%,C群)であった.
【成績】喘息はC>B>A群,COPDはA>C>B群,BA+COPDはB>A>C群,診断名不明とした例はA>B>C群の順に多かった.

大学病院に通院する患者の71%がA群だった.

ICS使用率はB>C>A群の順,既喫煙者のブリンクマン指数はB>A>C群の順に高かった.
吸気流速はインチェック(クレメントクラーク社,D4アダプター)とタービュテスター(アストラゼネカ)の2種類の方法で測定した所,ともにC>B>A群の順に高値を示した.

インチェック60未満,タービュテスター3未満を不合格とした所,A群では両方合格40.0%,両方不合格48.4%,一方のみ不合格が11.6%だった.
【結論】高齢者は診断不明の例,COPD例が多い.
近医に通院する一方で大学病院に占める率が高い.

ICS使用率は最も低く,十分な吸気流速を得られていない可能性もある.
【結論】高齢者の診断と治療には留意すべき点が多く,今後の喘息死の予防対策に不可欠である.

第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催


runより:ブリンクマン指数とは喫煙量と喫煙年数を掛けた数値。1日の喫煙本数×喫煙年数で表される。この数値が400を超えると癌(がん)が発生する危険性が高くなるとされる。

ICS(吸入ステロイド薬)です