・ぜん息などの情報館(一般の方)より
http://www.erca.go.jp/asthma2/
・成人ぜん息は過去30年間で約3倍にも増加しているといわれています。
小児ぜん息から持ち越す人や再発する人もいますが、40~60代で発症する人も少なくありません。
小児と比べて、アレルギーが関与していないケースが多いのが特徴的ですが、気管支の慢性的な炎症、ぜん鳴が出て息苦しくなるという点では、小児ぜん息と変わりありません。
非アトピー型が5割を占める
こどものぜん息の9割以上でアレルギーの関与が認められるのに対し、成人のぜん息においてアレルゲンを発見できるのは5割程度で、残りの5割はアレルゲンを発見できない非アトピー型です。
40歳くらいまでは、ダニが最も重要なアレルゲンといわれています。
かぜやインフルエンザなどのウイルス感染から、ぜん息を発症するケースがあります。
成人になってからの発症例が多い
「ぜん息は主にこどもの病気で、成人のぜん息は小児ぜん息がよくならず成人まで持ち越したもの」と考えられがちですが、実は、成人ぜん息の発症パターンのうち最も多いのは、成人になってから初めて発症するケースです。
小児ぜん息がいったん治癒または寛解(長期間、無症状で無治療の状態)にいたった後に、成人になって再びぜん息を発症する場合もあります。
アスピリンぜん息に注意
アスピリンや非ステロイド系の消炎剤を服用したり、注射したり、貼ったりすることで、ぜん息が発症・悪化することがあります。
なかなかよくならない
小児ぜん息の場合70%くらいはよくなりますが、成人ぜん息は寛解に持ち込むことが難しいといわれています。
その理由は、ぜん息を悪くする要因が小児の場合より多いからとか、社会生活上、発作がないときの治療(長期管理薬による予防管理)が十分にできない人が多いから、さらにその結果、次に説明する「気管支のリモデリング」が起こりがちだから、などといわれています。
リモデリング
ぜん息の治療が不十分だったりすると、長期にわたり気管支粘膜の炎症状態が続くことによって、粘膜組織の線維化が進んで硬くなり、もとの状態に回復しにくくなります。これを気管支の「リモデリング」といいます。
気管支のリモデリングは、ぜん息の慢性化・難治化につながります。
成人のぜん息が小児に比べて寛解しにくい傾向にあるのは、このリモデリングが一因とも考えられます。