・(問)電磁波の健康被害はどのようにして調べますか?
(答)現在の世の中では、電気を使わない生活はほとんどありません。
言い換えれば電磁波の中で生活していると言って良いでしょう。
ですから、電磁波被ばくの程度をはっきりと把握して調査をしなければなりません。
ところが、各自の生活は様々なものが複雑に絡み合っていますので、電磁波だけの被害を特定することは非常に困難です。
ですから、調査の仕方で様々な結果が出てきてしまいます。
そのために「疫学調査」という手法を使うのですが、長期間にわたり多くの事例を詳しく調べなければなりません。
(問)電磁波の健康被害は無いという報告も沢山あるのですが、どうしたわけでしょうか?
(答)ご質問のように、ハツカネズミを数世代にわたって電磁波を被ばくさせた環境で飼育し、被ばくさせなかったグループと比較して、その違いは無かったとの報告もあります。
しかし、この結果から、電磁波被害は無いものと結論づけるのは誤りです。
この実験モデルが実際の状況を模擬できているかどうかをさらに検討しなければなりません。
言い変えれば、モデル実験によって最初の目的と違った結論が出たならば、モデルの設定が間違っているのでは無いかと、まず疑うのが正しいあり方と思います。
(問)携帯電話にイヤホン・マイクを使うと電磁波被ばくは軽減されるでしょうか?
(答)1つの点から平等に発射される電磁波の強さは、距離の2乗に反比例します。
イヤホン・マイクを使うと、直接に携帯電話を耳に当てるよりも、脳までの距離が大きくなりますので、被ばくは軽減されるように思います。
ところが、最近、イヤホン・マイクを使うと、耳の近くの電磁波強度が強くなるという報告があるのです。
この理由としては、イヤホンのコードがアンテナの役目をして、電磁波を収束させるからだとのことですが、真相は不明です。
電磁波の放出強度が偏っているのかもしれません。
単純には結論が出ないようです。今のところは、実際に電磁波強度を測定して比較することが必要でしょう。