室内空気質健康影響研究会報告書の概要6 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3.今後の課題

(1)国民への正しい知識の普及啓発
 住宅環境における健康問題について国民が正しい知識を得て、健康的な居住環境の確保に取り組めるように、普及啓発の取組を積極的に行うことが重要である。
 また、「シックハウス症候群」及び「化学物質過敏症」については、名称の使用等を巡って混乱が見られる状況にあるが、本研究会での議論を踏まえ、室内濃度指針値との関連を含め、国民の正しい理解の向上を図ることが必要である。

(2)医療従事者への関心の喚起
 室内環境中の環境因子により健康に影響を受けたと思われる患者の診療に当たっては、当該関連環境因子と症状との因果関係を検討した上で、環境因子が原因となっている可能性がある場合には、環境改善等により症状の軽快を図ることが重要である。本報告書の公表により、室内空気質の健康影響問題に対する医療従事者の関心及び理解が一層高まることを期待する。

(3)基礎及び臨床的研究の推進
 「シックハウス症候群」については、様々な環境因子の暴露により多彩な症状が発現することが確認されているが、その原因の詳細な把握や、治療法及び予防法の確立のための更なる研究の推進が必要である。
 微量化学物質暴露による非アレルギー性の過敏状態としてのMCSに関しては、発症メカニズムをはじめ、科学的には未解明な点が多いのが現状であり、様々な研究領域からの多角的なアプローチによるMCSの病態解明や治療法及び予防法の確立のための研究の更なる推進が必要である。
 なお、わが国ではMCSに関する診断基準については、過去に研究班の活動等を通じて策定が試みられたものの、未だ専門家の間での合意を得られていない状況にある。今後研究を推進するにあたっては、現時点で一定の合意を得た診断基準を暫定的にでも策定する必要がある。