室内空気質健康影響研究会報告書の概要3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・(3)化学物質以外の環境因子の関与
 皮膚・粘膜刺激症状や不定愁訴を誘発する要因は必ずしも化学物質だけではない。

皮膚・粘膜刺激症状はアレルギー疾患や感染症などの患者でも高頻度に認められる症状であり、また、温度、湿度及び気流等の温熱環境因子が増悪因子となりうる。
 また、全身倦怠、めまい、頭痛・頭重などの不定愁訴は、各種疾患により生じるほか、温熱環境因子、生物因子(感染症)、照度、騒音及び振動等の様々な物理的環境因子、精神的ストレスなどが発症・増悪に関連することから、化学物質が係る症状の関連因子であると判断するためには、十分な除外診断が必要である。

(4)室内濃度指針値とシックハウス症候群との関連
 「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」における指針値の策定は、指針値を満足するような建材等の使用、住宅や建物の提供が考慮されるようになったという点で大きな役割を果たしている。
 しかしながら、指針値をわずかに上回る濃度での化学物質の暴露を受けた者が、粘膜刺激症状などの症状を訴えた場合に、「シックハウス症候群」と判断される場合があるなど、当該指針値を巡って「シックハウス症候群」についての誤解も見受けられる。

そもそも指針値は、化学物質により「シックハウス症候群」を引き起こす閾値を意味する値ではない。

そのため、室内環境での濃度が指針値を超過していることだけをもって、直ちに、当該化学物質が症状誘発の原因であると判断することは必ずしも適当ではなく、症状誘発の関連因子を特定するためには、慎重かつ適切な臨床診断に基づく総合的な検討が必要である。