・パラジクロロベンゼンとはどんな物質ですか
:パラジクロロベンゼンは、タンスや衣類収納ケースなどの防虫剤として数十年前から家庭で用いられている化学物質です。
一般にどこで使用していても半年程度でなくなってしまうようですから、使用した量はすべて揮発して室内空気に放散された後、外に出ていく道筋をたどります。
なお、製品に記載されている標準的な使用量は、防虫効果が十分期待できる量のことです。
したがって、使用場所付近では揮発したパラジクロロベンゼンの室内濃度は高い状態になっています。
住まいの構造・設備によっては、室内全体が高濃度になることもあります。
この化学物質は、居住者が自ら持ち込むものですから空気汚染が気になるようでしたら次のことに気をつけましょう。
防虫剤をどのように使用していますか ?成分を確認して購入していますか?
使用上の注意を読んでいますか?
寝室や子ども部屋など長時間過ごす部屋での使用を検討しましょう。
ウォークインクロゼットはすき間が多いため、部屋全体が高濃度になります。
換気を心掛け室内濃度が高くならないようにしましょう。
衣類用防虫剤は、パラジクロロベンゼン製剤のほかにナフタリン製剤、しょう脳製剤、ピレスロイド系殺虫剤(無臭)があります。
シックハウス症候群とは
:居住者(施設利用者)に発生の仕組みがわからない症状を含めた様々な体調不良が生じ、それが室内環境の何かに由来すると推測されることがあります。一般にこのような体調不良をシックハウス症候群と呼んでいます。そのため、原因の除去や低減など室内環境を適切に改善することにより、問題解決が可能です。
シックハウス症候群の原因となる「室内環境の何か」には様々な要因があり、
(1)化学的因子:揮発性有機化合物(VOC)、暖房器具や調理器具からの排ガス、タバコ煙など
(2)生物的因子:ダニやカビ、細菌など
(3)物理的因子:音、光など
があります。
なお、厚生労働省室内空気質健康影響研究会では、シックハウス症候群の医学的定義は困難であり、「居住者の健康を維持するという観点から問題のある住宅において見られる健康障害の総称」を意味する用語としています。