・Ⅲ. 居住環境に関する相談
Q9.新改築後にすぐ入居して安全ですか。
A
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可能であれば完成後1ヶ月位は入居をひかえ、使用した溶剤や塗料が完全に乾き、換気を充分に行った後に入居したほうが良い。
入居後は換気を特に入念にすることを勧める。
また、外出時も換気扇を作動させておくなど、絶えず外気と室内の空気の交換を行ったほうが良い。
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予防対策として、新改築前に使用する建材や材料の打合せをすることも重要。
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入居前の事前策として、一定時間室内温度を高め、有害物質の放散を促進させた後、換気を行うことを繰り返すのが有効な場合もあることが報告されている(「ベイクアウト」と言う)。
ただ、条件や手法が完全には確立されていないので、専門家への相談が必要。
Q10.転居してから体調不良があるとのことで、シックハウス症候群かなと思っていますが、換気以外に日常生活で注意することを教えて下さい。
A
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基本的な留意点は ①十分な換気 ②化学物質の発生源となるものを減らす ③規則正しい生活習慣(食生活も含め)の3点。
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住環境の中には化学物質やカビ・ダニの発生源はいたるところにある。このような要因の除去には、換気とこまめな掃除が重要。
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症状は個人差が大きく、感じる人とあまり感じない人がいる。
原因の特定が難しく他の疾患と鑑別が難しいので、医師への相談が必要。
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化学物質は新しい家具やカーテン、じゅうたん、床に塗るワックス類、防虫剤、芳香剤、消臭剤などにも含まれ、有害物質の発生源となることがある。
Q11.シックハウス対策に有効な新改築時の材料の選び方を知りたい。
A
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シックハウスの原因として考えられる化学物質には、合板、接着剤や塗料に多く含まれるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレンなどがある。
ホルムアルデヒドについては、建築基準法(平成15年7月1日施行)のなかで、合板、パーティクルボード等には規格がある。
それ以外の化学物質については各業界で規格が定められている場合もあるので設計の段階で設計士や施工業者とよく相談して材料選びを行う。
合板、パーティクルボード : ホルムアルデヒド
建材 : ホルムアルデヒド
木材 : アセトアルデヒド
壁紙 : ホルムアルデヒド、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
接着剤、塗料 : ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン等