SHS診療マニュアル第3部2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・1)症状
当院受診患者の症状を中心に本症の症状を表1に示した。

SHS群では、頭痛、結膜症状、咳嗽・喀痰の順に多く、また、2、3の症状のみの患者から20数種類の症状を訴える患者もあり、本症の症状は極めて個別性が高い。
2)発症パターン
自宅や職場の新築、リフォームなどが発症の契機になっている場合が多い。暴露後、数日~数ヵ月(多くは1~2ヵ月)で発症しており、亜急性の発症パターンを呈す。

新築の家屋の空気は建材の塗料、接着剤、防腐剤やシロアリ
駆除剤などの防虫剤などで汚染されており、これらに持続的に暴露され発症する。

初期の数日間、他の家族や同僚も何らかの症状を呈している場合があり、このようなケースでは初期の化学物質濃度が高かった可能性があり、SHSの古典的発症パターンといえる。
3)経過
化学物質を極力回避することにより、症状が軽快し、適切な指導のもとでは、数十%の患者が症状の改善を認めるようになる。

この点も患者にはよく説明する必要がある。

しかし、回避により症状の改善はみられているものの、暴露時には症状が再燃する症例も少なくなく、真の改善頻度に関しては今後の検討が必要である。
4.現症
本症固有のものは少ない。

他疾患の鑑別が重要である。
5.検査
末梢血一般、生化学的検査、血圧など。

症状に応じて、心電図、肺機能検査など、他疾患の鑑別に必要な検査を実施する。

なお、希ではあるが、ホルムアルデヒド暴露により、甲状線種を来した症例の報告があり、鑑別の意味も含めて、TSH、freeT3、freeT4の検査も考慮する。