アレルギー疾患対策の現状と問題点13 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ウ 研究開発及び医薬品等開発の推進
(ア) 効果的かつ効率的な研究推進体制の構築
○ 研究企画・実施・評価体制の構築に際し、明確な目標設定、適切な研究評価等を行うことにより、アレルギー疾患に関する研究をより戦略的に実施し、得られた成果がより効果的に臨床応用されることが重要である。
○ 国は、政策的課題に関連するテーマも勘案した上で、適切に公募課題に反映させるとともに、研究課題の採択に当たっては免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業の中でテーマの類似している研究課題の統廃合を図ることが必要である。

なお、国が進めるべき研究課題は、民間企業や医療機関と国との役割を認識しながら、研究事業の評価委員会の意見を踏まえ、課題の決定を行う。
○ 治療効果も含めたアレルギー疾患患者の動向を適切に把握することは、単に疾病統計という視点のみならず、病因、病態、診断、治療、予後等の研究を効果的かつ効率的に進める上で重要であることから、継続的かつ汎用性の高い患者データベース等の構築も重要である。
また、小児に特化した調査としては、同一客体を長年にわたって追跡調査する「21世紀出生児縦断調査」が平成13年度から実施されているところであり、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎・結膜炎、食物アレルギーの有病率について調査している。

本調査結果も、小児アレルギーの実態を把握する上での有用な疫学情報のひとつであると考えられ、国は調査結果の積極的な活用について検討する。
(イ) 研究目標の明確化
○ 当面成果を達成すべき研究分野
これまで得られた研究成果等を踏まえ、今後よりアレルギー疾患診療の医療の均てん化や医療水準の向上に資するような研究成果を得られるよう、特に次の研究分野を重点的に推進していく。
・ アレルギー疾患において、現行の標準的な治療方法による疾患管理が困難な、あるいは不十分ないわゆる「難治性アレルギー疾患」患者に対する有効な治療方法の開発を最優先の目標とする。そのため、関係学会等と連携し、治療の安全性は当然担保しつつ、より高い有効性
が期待される治療方法を開発することを目標とする。
・ 喘息死の中心を占める高齢者喘息の実態やその管理手法の確立、不定期受診に起因する喘息死患者の抑止の方法の開発と普及に資する研究も推進する。
・ 国は、これらの研究から得られる成果や、成果に基づいた国等への施策提案を踏まえ、科学的根拠に基づいた正しい医学的知見の、かかりつけ医等への普及を図り、国民が必要とする適切な治療を等しく享受できるような医療体制の確保に資することを目指すべきである。
○ 長期目標を持って達成すべき研究分野
・ 長期目標として、アレルギー疾患の予防法と根治的治療法を開発するため、アレルギー疾患の病態・免疫システム解析と病因解明を行い、その成果に基づくアレルギー疾患に対する根本的な治療法を開発することを目指す。
(ウ) 医薬品等の開発促進等
○ 新しい医薬品等の薬事法上の承認に当たっては、国は適切な外国のデータであれば適切に対応する。
○ 国においては、優れた医薬品等がより早く患者の元に届くよう治験環境の整備に努める。特に小児に係る医薬品等については対応が十分とはいえないため、小児に係る臨床研究の推進を図ることが望ましい。
(3)施策の評価等
国においては、適宜、有識者の意見等を聞きつつ、国が実施する重要な施策の実施状況等について評価し、また、地方公共団体の実施する施策を把握することにより、より的確かつ総合的なアレルギー対策を講じていくことが重要である。
また、地方公共団体においても国の施策を踏まえ、国や関係団体等との連携を図り、施策を効果的に実施するとともに、主要な施策について政策評価を行うことが望ましい。