アレルギー疾患対策の現状と問題点3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・○アトピー性皮膚炎
2000~2008年において、保健所、小学校、大学における医師健診による有症率調査が報告されている(アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2008)。

そこでは、4歳児が12.8%、1歳半が9.8%、3歳児が13.2%、小学1年生が11.8%、小学6年生が10.6%、大学生が8.2%であった。

また成人では、20歳代が9.4%。30歳代が8.3%、40歳代が4.8%。50~60歳代が2.5%であった。

また重症度では、学童から30歳代までに中等症以上の比較的重症例がそれぞれの層で多く(20%以上)含まれていた(アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2008)。

小学生においては年次推移が示されており、全学年において1992年と2002年との比較では、やや減少していた(アレルギー疾患診断治療ガイドライン2010)。
以上、国民の約1割がアトピー性皮膚炎に罹患していると考えられる。ただし、アトピー性皮膚炎に対する大規模かつ詳細な研究、最新の報告はないため、その推移に関しては今後の検討課題である。
○食物アレルギー
食物アレルギーは原因抗原の種類あるいは加齢により耐性化するため有病率も各年齢で異なる。

わが国の大規模有病率調査から、乳幼児有病率は5~10%、学童期は1~2%と考えられる。

成人の大規模な調査はないため不明である(アレルギー疾患診断治療ガイドライン2010)。

近年は、全年齢層での重症例の増加、成人での新規発症例が目立っている。
(エ)アレルギー関連死
平成15年人口動態統計によると、アレルギー疾患に関連した死亡者数は3,754名で、そのうち「喘息」による死亡は3,701名(98.6%)、「スズメバチ、ジガバチおよびミツバチとの接触」による死亡は24名(0.6%)、「有害食物反応によるアナフィラキシーショック」による死亡は3名(0.1%)であったが、平成21年人口動態統計では、アレルギー疾患に関連した死亡者数は2,190名であり、「喘息」による死亡は2,139名(97.6%)、「スズメバチ、ジガバチおよびミツバチとの接触」による死亡は13名(0.6%)、「有害食物反応によるアナフィラキシーショック」による死亡は4名(0.2%)であり、アレルギー関連死は喘息死を中心に減少傾向であった。