表示にすがる健食の功罪「えがおの黒酢」8 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・100億円まではグレーゾーンで


 前回まで、『えがおの黒酢』の販促チラシ「一般食酢の約120倍のアミノ酸でぜい肉の悩みに、さようなら!」というキャッチコピーにおける「120倍」の根拠の疑わしさについて解説した。

ただし、これはあくまで推定であることをお断りしておく。

一般論に基づいた推論で、正確な数値は予測の域を出ない。

特定の商品において含有された原材料の量には、それぞれのレシピに応じた処方があるからだ。

ただグラフ上は、120倍のアミノ酸にゼラチンや油類など、黒酢以外のアミノ酸が含まれていることだけは間違いない。

また、「抗糖尿作用」や「コレステロール抑制作用」など、黒酢の持つ機能性に関する研究成果が真面目な黒酢メーカーによって積み上げられてきた実績があることも断わっておく。

悪いのは黒酢ではなく、あくまで表示の出し方なのだ。
 チラシを見る限り、えがお社自身は、黒酢そのものに含まれているアミノ酸量を「120倍」とはどこにも謳っていないし、黒酢以外の原料について「国産」ともいっていない。

実に巧みにつくられたチラシであることは間違いない。

ただし、チラシを目にした、インターネット上の口コミなどを手掛かりに、同商品の購入を決めかねている消費者に対して相応の「優良誤認」を与える構成になっているのは疑いないのではないかと、思われる。

あえて違法性を指摘すれば、わずか6例の体験談(薬事法・健康増進法・景品表示法)と、「約120倍」の根拠(景品表示法)にある。
 かつて数年以前、大手通販メーカーの役員が、「(売上高)100億円まではグレーゾーンで突っ走る。

それを超えたら社会的な責任があるから」と口走っていたのを思い出す。

社会的な責任は、別に売上高に比例するわけではないのだが、50億円まではブラックで突き進むというのが通信販売会社の性だとしたら、悲しい習性だと言わざるを得ないし、法律を順守して真面目に事業に取り組んでいる中小・零細の健食事業者は浮かばれないだろう。

それでなくとも、えがおはすでに売上高が100億円を超えているのだ。