TPPで問われる混合診療の是非 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・TPPで問われる混合診療の是非
2011年11月11日 15:40
 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加において、保険診療と保険外診療を併用する、いわゆる「混合診療」の解禁についての議論が行なわれる可能性について意見がわかれている。

 混合診療は現在、差額ベッド代などの一部を除いては保険対象外となり、もし行なった場合は保険診療分も含めて全額自己負担。

また国が将来的な保険適用を見込んで定める「評価療養」については特例として「保険外併用療養費制度」が適用される。

混合診療を禁じる明文規定はないが、原則的には「禁止」。

しかし、7日に政府が、混合診療の全面解禁がTPPで取り上げられる可能性について、「議論される可能性は排除されない」と事実上認めたことで、民主党内のTPP交渉慎重派が「国民皆保険制度が崩壊する恐れがある」と反発。

日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の医療系3団体も懸念を示している。

 混合診療の解禁を巡っては、数年前から議題に挙がっていた。

自民党政権時の2004年と07年に当時の規制改革・民間開放推進会議が解禁を提言。

09年から民主党政権となってからも、行政刷新会議でも解禁の可能性について議題に挙がっていた、しかし厚生労働省および日本医師会が「医療の平等化が崩れる」、「医療の安全性・有効性の確保が難しい」、「患者負担が不当に広がる」などを理由に反対の姿勢を示している。

しかし、一部の難病に対し、海外で認められている先端医療が、国内では保険の適用とされないがために、「治る手段があるにも関わらず高額なために診療を受けられない」という患者にとっては希望する医療が制限されるという不利益な状況も生んでいる。

 07年に神奈川県内在住の腎臓がん患者が、保険適用のインターフェロン療法に加え、保険適用外の「活性化自己リンパ球移入療法(LAK療法)」を併用。

全額自己負担となったことを受け、混合診療を認めるよう起こした行政訴訟が東京地裁で行なわれ、一審の判決では「保険診療と自保険外診療を併用されると保険診療について給付を受けられなくなるという法的根拠は見い出せない」と、法解釈の違法性を指摘。原告患者側が勝訴した。

ところが国側が控訴した二審では、「健康保険法の解釈として、自由診療のみならず、保険診療相当部分についても保険給付を行なうことができないとするのが相当」との判断で一審から一転し、逆転敗訴となった。

最高裁まで持ち込まれたものの、「法的根拠がない」とし、原告側の上告は棄却された。

 最高裁では「混合診療禁止の原則の是非が問われる場面を減少させる意味でも、迅速で柔軟な制度運用が期待される」と検討の余地を残しているが、果たして現行制度のままの運用で良いかどうかは疑問だ。

原告患者のように、本人の判断で治る見通しがないと見て、わずかでも完治の可能性がある自由診療に向かうのは当然の流れであり、混合診療の規制が本当に患者本位の立場で保護されているルールとは思えない。

それこそ一部の行政や医療業界サイドの利害関係で抑えられているのではと勘ぐってしまう。

 TPPに参加することにより、海外で有効性や安全性が認められた治療法や薬、医療機器が早期に、しかも安価に使用できるようになる可能性があり、米国では日本における自国製造の医薬品販売の拡大を図るとみられている。

これこそ患者が求めていることではないか。

決められた範囲内の診療や、効かない薬をいくら投与しても根本治療にはならない。

国民皆保険制度が揺らぐというのなら、混合診療に対応した医療の平等、安全性、有効性を確保できる、現行の医療制度の改革が必要なのではないだろうか。

【小山 仁】