・<がん患者はわずか40年で3倍に>
ご存知のように「がん」が急増しています。
日本におけるがんによる年間死亡者数は40年前の1971年には約13万人だったものが、2006年には33万人とわずかこの30~40年の間で3倍近く急増しています。
長い人類の歴史を考えれば、30~40年というのは点にもならない短い期間です。
その間に1つの病気が3倍に増えるというのは異常事態です。
WHOも、今年には脳卒中や心筋梗塞を抜いて、がんが世界中で死因のトップになると発表しています。
ですから、世界中の国でがんが増えていると思っていました。
ところが先進国でただ1カ国、がんが減っていた国がありました。
どこでしょうか?
それは意外にもアメリカ合衆国です。
1990年ごろまでは、アメリカでも年率1%以上と急増していました。
ところが90年以降、多少のアップダウンはあるものの罹患率、死亡率ともに減少し始めたのです。
日本はアメリカに追随しているものと思っていましたが、そうではありませんでした。
日米のこの違いは何を意味しているのでしょうか?
実はこの違いは、栄養や食事に対する取り組みに方の違いによっていると考えられます。
<代替医療を推進するアメリカ>
77年、有名なマクガバンレポートが上院に提出されました。
高タンパク質高カロリー糖分たっぷりの典型的なアメリカ食を続けていたら、全員病気になってしまうと警告したわけです。
病気と栄養、食事の因果関係を明らかにし、自分たちの肉食を中心とした食生活の誤りを正し、禁煙し、よい健康食品を摂り、代替医療を推進しました。
もちろんアメリカは西洋医療最先端の国ですが、その一方で統合医療も推進されており、医師がサプリメントを処方します。
国家的な統合医療の研究も推進されています。(日本人が)漢方を勉強しにアメリカに行かなくてはならない時代も遠くないと思います。
一方日本は、99.9%西洋治療オンリーの国ではないでしょうか。
サプリメントはどうですかと医者に聞けば「そんなものは・・・」と言われた経験を持つ人も少なくないと思います。
しかし、病院で処方できるビタミン剤や酵素は、合成ビタミン剤だったり動物性酵素剤だったりと、私から見れば大したものではない場合がほとんどです。
統合医療と言えば「そんなもの」としてきた結果が、日米の現在の差につながっている・・・と私は思っています。
ここで、"サプリメント"と"薬"(合成薬)との違いについて考えてみましょう。
<サプリは「身体成分」、薬は「異物」>
"サプリメント"は英語で"補充する"という意味です。
何を補充するかと言えば、身体成分、つまり幼少時にはじゅうぶん体内に持っていたであろう成分と同じものを補充するわけです。
適切なものが補われれば、身体の成分ですから速やかに吸収作用します。
ですから、よいサプリメントには原則、副作用はありません。
ただし、代謝が改善して発汗が促されたり、また時には一時的な発疹や痛みが出るということはあるかもしれません。
一方、薬、特に一般の合成薬は、本来身体にはない構造物を化学的に合成した、異物です。
異物に対して身体は、拒否反応やアレルギーを起こし得ます。
蓄積もしてきます。
これはよい悪いの話ではありませんし、必要な薬は摂らざるをえませんが、もし身体成分の補充で済むのであれば、それに越したことはないはずです。
しかし現状、日本でのサプリメントの扱いは前述したとおりです。
疑問を感じるのは私だけでしょうか?
次回は、私たちが食べる栄養素の意味と、酵素栄養学からみた病気の原因についてお話します。
そして最終的には栄養学から見た水素の絶対的必要性を明らかにする予定です。