・ 4.肥満細胞からのヒスタミン遊離(脱顆粒)
・肥満細胞表面のIgE抗体が、抗原により架橋されると、Ca2+の肥満細胞内への流入が30秒前後から始まり、2分後まで続く。ヒスタミンの遊離は、Ca2+の流入に少し遅れて始まり、2~3分後にピークとなる。
架橋に伴い、ヒスタミン以外にも、ロイコトリエン(LTC4、D4、E4)などのメディエーターも、放出される。また、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、TNF-αなどのサイトカインの産生が、促進される。
・C3aやC5a(アナフィラトキシン:注4)は、肥満細胞・好塩基球からヒスタミンを遊離させ、血管透過性を亢進させる。C5aは、好中球とマクロファージの遊走をもたらす。
・サブスタンスP(SP)、ロイコトリエン(LT)、Il-1などのサイトカインは、抗原が存在しなくても、組織肥満細胞や好塩基球を脱顆粒させ、ヒスタミンを遊離させる。
5.血管透過性を亢進させる物質
・ヒスタミン
・PGE2
・PGI2
・LTC4、D4、E4
・PAF
・ブラジキニン
6.痛みを増悪させる食事
砂糖などの糖質(グルコースを含む)や、食用油などの脂質(アラキドン酸の原料になるリノール酸を含む)は、発痛物質である、乳酸、プロスタグランジンE2(PGE2)の生成を増加させ、痛みを増悪させると考えられる。、
また、砂糖の摂り過ぎは、血中の中性脂肪を増加させ、血小板が偽足を出して凝集しやすくなり、血行を悪化させ、酸性の代謝中間産物(乳酸など)を蓄積させ、痛みを増悪させると考えられる。
御菓子、酒、穀類(御飯、パン、ウドンなど)、肉類(獣鳥魚介)、卵なども、痛みを増悪させる。
野菜(緑葉食や青汁)や果物は、痛みを軽減する(血行を良くし、発痛物質の除去を促進する)。