喫煙制限のない職場における環境タバコ煙 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・出典:食品・薬品安全性研究ニュース
http://www.jpha.or.jp/jpha/jphanews/anzensei.html

喫煙制限のない職場における環境タバコ煙:場所と人の曝露に対するモニタリング

 職場における環境タバコ煙 (ETS) は, 深刻な問題でありなんらかの規制が必要である.

ETS は, 喫煙が自由な建物内ではいたる所に存在していると考えられている. そこで, 1990年以降, 職場における ETS に関する調査研究が多数行われ, 1994年に(OSHA) が職場における喫煙のきびしい制限を提唱した.

1999年の調査では, 米国の17州とコロンビア地区の職場における禁煙率は62~82%だったと報告している.

本報告では, 喫煙制限が行われていない建物内の定点における ETS 濃度と人への ETS 曝露の程度および反復して測定した場合のそれらの変動について調査した結果が示されている.
 調査対象の建物は, 4階建の最新の空調換気システムを備えた建物で, 換気は1時間当り0.6~0.7回であった.

そこには300人が就業し, その内16%の人が喫煙者である.

サンプリングは, 29か所の87地点で, 喫煙者のいる場所といない場所, 共用部分 (食堂) 等において6日間連続で実施し, さらにサンプリング装置を装着した非喫煙者24人について1日8時間, 3日間連続のサンプリングを実施した.
 分析した項目は, 集塵した空中浮遊粒子, 紫外線吸収粒子, 蛍光発色粒子およびソラネソル, 蒸気に含まれるニコチンおよび 3-ethenyl pyridine であり, 全サンプルについてこれらを分析した.

その結果, サンプリングを実施したほとんどの地点においてタバコ煙特有の成分が検出 (コンピュタールームは別系統の空調のため, ニコチンやソラネソル等は検出されていない) され, 当然のことながら喫煙者のいるオフィスや小部屋において最も高い ETS 濃度が検出された.

ニコチンの濃度の中央値は, 喫煙者のいる小部屋では 2.53 μg/m3, 喫煙者のいない小部屋では 1.58 μg/m3, 喫煙者のいるオフィスでは 5.5 μg/m3, 喫煙者のいないオフィスでは 0.38 μg/m3 であり, その全ての場所における平均中央値は 1.5 μg/m3 であった. 同じく全ての場所におけるソラネソルの濃度の中央値は 8.2 μg/m3 であった.

一方, 個人の ETS 曝露濃度の中央値は, ニコチンでは 1.24 μg/m3, ソラネソルでは 7.1 μg/m3 であり, 定点サンプリングの値より若干低い値を示した. 個人サンプリングのうち, 喫煙者の近くにいたと申告した人の ETS 濃度はそうでない人と比較してそれぞれの項目で50%程度の上昇が見られたが, ニコチンだけは約2.5倍高い値を示した.

また, 各物質の濃度の観察期間中の変動は, 相対標準偏差として20~60%の間で, ソラネソル以外は50%以内であった.
 OSHA が示した職場におけるニコチンの平均濃度は2~10 μg/m3 であるのに対し, 本調査結果におけるニコチンの1日8時間サンプリングの平均濃度の中央値は 1.52 μg/m3 であったように, 今回測定した定点および個人サンプリングの ETS 濃度は, 1994年に OSHA が今回調査したと同様の設備を持つ喫煙制限のない建物内における値として示した数値より低いことが分かった.

runより:喫煙制限のない建物内では受動喫煙はどこでも起こるという事ですね。