・一般演題
気管支喘息:管理とケア1
座長:玉置 淳1), 西村浩一2), 庄司俊輔3)(1)東京女子医科大学第一内科, 2)京都桂病院呼吸器センター, 3)国立病院機構福岡病院アレルギー科)
MS7-1-5.パニック障害を合併する気管支喘息患者の外来管理について
飯嶋正広
高円寺南診療所 アレルギー内科,心療内科
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【目的】気管支喘息(BA)患者の外来管理は吸入ステロイド剤の普及により,以前に比べて容易になってきた.
しかし,過換気症候群(HVS)やパニック障害(PD)とBAの関連についてはさまざまな議論がなされてきたが未だ結論を見ていない.
【方法】PDを合併するBA例について文献的考察を加えるとともに,当院においてアレルギー内科外来を受診したBA患者と心療内科外来を受診したPDを伴うPA患者の実際の症例を提示して,PDを合併するBAの外来管理のあり方について検討を加えた.
【成績】アレルギー内科外来においては,BA患者の初診時において,HVSの合併に気づかないものが含まれていた.
また,心療内科外来においては,PD例のうち,BAの存在自体に気づかないものが含まれていた.
【結論】喘息をはじめとするアレルギー疾患とPDとの関連性については必ずしも明確ではない.
しかし,PD患者に投与した抗不安薬および抗うつ剤のなかには抗アレルギー作用を有するものがあり,BAに伴う諸症状を緩和した.
また,BA患者に投与した漢方薬のなかには抗ストレス作用を有するものがあり,パニック発作が解消した.
【結語】BA患者のなかにはHVSやPDを合併するものがあるので,BA患者の外来管理においては,心身医学的なアプローチを忘れないことが重要である.
第18回日本アレルギー学会春季臨床大会 2006年5月開催