・一般演題
気管支喘息:病態と治療1
座長:滝澤 始1), 下田照文2), 横山彰仁3)(1)東京大学呼吸器内科, 2)国立病院機構福岡病院アレルギー科, 3)広島大学分子内科)
MS1-1-4.誘発喀痰検体の採取成否と患者背景の関連
松岡弘典 新実彰男 松本久子 上田哲也竹村昌也 山口将史 陣内牧子 三嶋理晃
京都大学 医学部 呼吸器内科
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[背景,目的]誘発喀痰は喘息,COPD,慢性咳嗽などの気道疾患の研究,診療に広く用いられているが,症例によっては検体が採取できない欠点がある.誘発不成功例の背景因子は知られておらず,検討した.
[対象,方法]1998年5月~2005年10月に当院喘息・慢性咳嗽外来で喀痰誘発を試みた1093例(喘息576例,慢性咳嗽363例,その他の疾患85例,健常者69例)のうち,今回は喘息患者(50.5±18.4(SD)歳;男/女239例/337例)において誘発成功例と不成功例の年齢,性,罹病期間,喫煙歴(過去を含む)の有無,血清IgE値,アトピー,FEV1,FEV1/FVC,吸入ステロイド治療の有無と量,重症度を比較した.
[結果]誘発成功率は72%であった.
不成功例(n=161)では成功例(n=415)に比し罹病期間が有意に長く(14±20 vs 8±11年,p=0.0001),女性(67 vs 55%,p=0.005),非喫煙者(83 vs 77%,p=0.005)が有意に多かった.
この3因子の多変量解析では非喫煙(p=0.0001),長期罹病(p=0.0001)が誘発不成功に有意に関与した.
[結論]喀痰誘発の成否は患者背景に影響される可能性がある.
第18回日本アレルギー学会春季臨床大会 2006年5月開催
runより:高張食塩水吸入誘発喀痰という方法で痰を誘発して出す方法の様です。