・一般演題
薬物アレルギー・薬剤性障害3
座長:高藤 繁(国際医療福祉大学附属熱海病院内科)
P33.PTU(propylthiouracil)内服により発症したANCA関連血管炎の1例
小林花神 林 信行 大平大介 鳥越寛史伊藤友博 廣瀬正裕 志賀 守 宮崎淳一近藤りえ子 堀口高彦
藤田保健衛生大学第2教育病院 呼吸器内科
--------------------------------------------------------------------------------
症例は62歳女性.
平成11年6月,甲状腺機能亢進症と診断され,MMI(thiamazole)内服するも薬疹出現し7月よりPTU内服開始.平成17年10月20日頃より動悸,労作時呼吸困難あり,11月1日より血痰を認め11月8日当院受診.高度貧血に加え,胸部X線,CT写真にてびまん性肺胞出血を認め精査加療目的にて入院となる.入院後MPO-ANCA 390 EUと高値を示し,経気管支肺生検にて肺胞出血を認め,腎生検にて糸球体壊死,間質への炎症細胞の浸潤を認めた.以上よりANCA関連血管炎と診断した.
さらに血清リンパ球刺激試験にてPTU陽性を認めPTUによるANCA関連血管炎と診断した.
ステロイドパルス療法を施行後PSL30mgより開始しMPO-ANCA 83 EUまで改善し,以後肺胞出血は認めていない.
第18回日本アレルギー学会春季臨床大会 2006年5月開催