・一般演題
薬物アレルギー・薬剤性障害2
座長:堀口高彦(藤田保健衛生大学坂文種徳会病院)
P30.膠原病患者における薬疹の検討
赤平理紗 武久美子 猪熊茂子 瀬戸口京吾田中良明 吉田 希 菊地聡子
都立駒込病院 アレルギー膠原病科
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【背景】膠原病に薬疹を合併した場合,原病に伴う皮疹との鑑別が問題となる.
また,薬疹の成立機序は未解明である.
【方法】1994年から2004年までの膠原病入院例で,薬疹を合併した例のうち検索の終了した20例.
原病,自己抗体,被疑薬,熱発の有無,CRP変化,末梢血血球数変化,血清免疫グロブリンG,A,M値の変化を比較した.
【結果】男2例,女19例,計20件.年齢は51.4±20.7歳.SLE5例,SjS7例(原発性2例),RA7例MCTD4例,DM,SSc,PBC各1例.被疑薬はDMARD 7例8件,抗生剤5例,向精神薬2例,他6例.自己抗体ではSSAが8名陽性.
熱発14例(不明4例),CRPは0-16.3mg/dLで,1.8mg/dL以上の上昇を伴ったのは10件.IgA,IgMは発症時減少が見られた.
リンパ球数は薬剤投与時4.80±1.86,発症時0.96±0.80,回復時1.78±1.10×103/μL,14件で減少が見られた.
【まとめ】薬疹合併の膠原病例ではSSA陽性例が目立った.
発熱,CRPの上昇は高頻度で血清免疫グロブリン値の減少傾向あり.
最も目立った随伴所見は末梢血リンパ球数の減少で,皮疹消退と伴に元に回復した.
第18回日本アレルギー学会春季臨床大会 2006年5月開催