・一般演題
薬物アレルギー・薬剤性障害2
座長:堀口高彦(藤田保健衛生大学坂文種徳会病院)
P28.
小野恵美子1,2) 松野 治2) 広重滋夫2) 竹中隆一2) 大久保俊之2) 伊東猛雄2) 濡木真一2) 上野拓也2) 安東 優2) 宮崎英士2) 熊本俊秀2)
国立病院機構相模原病院 臨床研究センター1) 大分大学医学部第3内科2)
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症例は55歳,女性.2003年9月上旬から,発熱・頭痛・乾性咳嗽が生じ,近医でカロナール,ミノマイシン等を処方された.
その後,咳,呼吸苦がみられるようになり,再度近医受診したところ,胸部単純Xp,CTにて両側にびまん性小粒状影を認めたため当科入院となった.
入院後,全ての薬剤を中止したところ,症状は速やかに改善した.
以上の臨床経過とBAL中好酸球増多より,薬剤性好酸球性肺炎が強く疑われた.
被疑薬に対し薬剤リンパ球刺激試験(DLST)を行ったところ,カロナールのみが陽性であった.
確定診断のため誘発試験を行ったところ,カロナールは陰性であったが,ミノマイシン投与により症状の再現が得られ,ミノマイシンによる薬剤性肺炎と診断された.
DLSTは薬剤性肺炎の有力な診断根拠とされているが,本症例はDLSTと誘発試験の結果に解離が認められた.
近年,薬剤性肺炎の診断におけるDLSTの有用性を疑問視する報告もあり,興味ある症例と思われたので報告する.
第18回日本アレルギー学会春季臨床大会 2006年5月開催