・一般演題
薬物アレルギー2
座長:浅田秀夫(奈良県立医科大学皮膚科)
P5-2-3.局所麻酔剤による即時型および遅延型アレルギーを呈した3例における検査方法
井上友介, 足立厚子, 皿山泰子, 上野充彦, 金澤典子, 松尾正文, 佐々木祥人
兵庫県立加古川医療センター皮膚科
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目的:局所麻酔剤によりアナフィラキシーを呈した3例を経験し,診断のための検査方法について検討した.
患者,方法および結果;症例1:34歳女性.
キシロカインによる神経ブロック1時間後にアナフィラキシーショックを呈した.キシロカインプリックテストが陽性.キシロカイン1ml皮下注では15分後に3cm大の紅斑認めた.
キシロカインによるアナフィラキシーと診断.
症例2:38歳女性.
塩酸オキシブプロカイン含有点眼薬を使用直後にアナフィラキシーショックが出現.オキシブプロカインのプリックテストでは,局所の膨疹は認めなかったが低濃度でショックが出現した.
オキシブプロカインによるアナフィラキシーと診断.
症例3:76歳男性.
ジブカインによる腰椎麻酔28時間後,全身に播種状紅斑丘疹が出現.
ジブカインのパッチテストと皮内テスト15分判定が陽性で即時型と遅延型アレルギーの合併と診断.
3例ともに複数の局所麻酔剤で症状を呈した.結論:局所麻酔剤によるアレルギーが疑われると,必要以上に局所麻酔剤の使用が恐れられ,患者のQOLが低下することがある.
局所麻酔剤によるアレルギーは稀であるとの認識とともに,検査方法の確立が望ましい.
第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催