乾癬様皮疹を生じた関節リウマチの1例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
薬物アレルギー1
座長:足立厚子(兵庫県立加古川医療センター)

P5-1-8.エタネルセプトにより乾癬様皮疹を生じた関節リウマチの1例

長嶋孝夫1), 小池裕美子2), 本根杏子1), 釜田康行1), 大槻マミ太郎2), 簑田清次1)
自治医科大学アレルギー・リウマチ科1), 自治医科大学皮膚科2)


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64歳女性.

36歳関節リウマチ発症.

2008年6月よりエタネルセプト25mg/週を開始.2008年10月右膝化膿性関節炎が疑われたためエタネルセプト中止.

関節液の培養からは表皮ブドウ球菌が1回のみ検出されたが,滑膜組織からは菌体は検出されず,コンタミネーションの可能性もあった.

そのため12月よりエタネルセプトを再開した.

1月下旬,上腕,大腿に掻痒を伴う境界明瞭な皮疹が出現.エタネルセプトの薬疹を疑い,2月に投与中止したが,1ヶ月後も皮疹は明らかな改善を認めなかった.

関節症状が悪化したため,3月に投与再開した.

皮疹は上腕,肘,大腿,臀部に見られ,4月に皮膚生検を施行.角質下に好中球の浸潤を認め,軽度表皮突起の延長,乳頭層血管周囲にはリンパ球浸潤を認め,エタネルセプトによる乾癬様皮疹と診断した.

関節リウマチに対しては有効であり,皮疹もそれ以上の拡大傾向なく,自制内の掻痒感のため投与を継続した.

2009年6月,化膿性右股関節炎のため入院,エタネルセプトを中止,その後皮疹は消失した.

抗TNF製剤は,尋常性乾癬にも2010年より保険適応予定だが,逆説的に,低頻度であるが乾癬様皮疹が生じうることに注意しなければならない.

第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催