・一般演題
薬物アレルギー1
座長:足立厚子(兵庫県立加古川医療センター)
P5-1-4.ステロイド加療中に出現した抗痙攣薬による薬疹
出口絵美, 伊藤宏太郎, 今福信一, 中山樹一郎
福岡大学医学部皮膚科学
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抗痙攣薬は薬疹の原因となることが比較的多く,特に発熱や臓器障害,HHV-6の再活性化を伴う薬剤性過敏症症候群(DIHS)を誘発することで知られている.
今回ステロイド加療中にフェニトインが投与され,1ヵ月後に好酸球数の増加を伴う紅斑丘疹型の薬疹が生じDIHSとの鑑別が困難であった1例を報告する.症例は65歳の女性.Sjogren症候群関連の自己免疫性脊髄炎と診断され2009年3月よりステロイドの内服およびパルス療法,免疫グロブリン大量療法で加療されていた.
2009年6月に四肢のしびれに対してカルバマゼピンの内服を開始したところ6月末より血清中の肝胆道系酵素が上昇,8月に同薬剤による肝機能障害と診断され投与が中止された.
9月より残存したしびれに対してフェニトインの内服を開始したところ,10月末に右大腿より紅色丘疹が出現,徐々に躯幹,顔面に拡大し融合性の紅斑となった.
プレドニゾロン30mg/day内服中にも関わらず好酸球数1152個/μlと増加がみられ,発症時期からもDIHSが疑われたが抗HHV6-IgGはペア血清で有意な上昇が認められなかった.
原因薬剤を中止し,プレドニゾロンを50mg/dayに増量して加療を行ったところ皮疹は徐々に軽快した.11月に提出したDLSTのS.I.値はカルバマゼピン402%,フェニトイン367%と陽性を示した.
第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催