硫酸クロピドグレルによるDIHSの1例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
薬物アレルギー1
座長:足立厚子(兵庫県立加古川医療センター)

P5-1-2.硫酸クロピドグレルによるDIHSの1例

中村 敬
淀川キリスト教病院


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薬剤過敏症候群(drug induced hypersensitivity syndrome DIHS)は,特定の薬剤投与後に生じる,ウイルス再活性化をともなう特殊な病態と考えられている.

今回我々は,報告の少ない硫酸クロピドグレルによるDIHSで,激しい咽頭粘膜の糜爛をともなう例を経験したので報告する.

症例は56歳男性.心筋梗塞後,ステント留置にともなう抗血栓療法中に咽頭痛,顔面浮腫出現.

喉頭ファイバーにて咽頭粘膜の激しい糜爛認め,SJSを疑い,薬剤中止しステロイド投与開始.

高熱,肝機能障害,ステロイド減量による紅斑再燃などから粘膜症状の激しいDIHSと考え,ステロイドの慎重漸減を行い,3か月かけて離脱.

HHV6IgGは症状発現後6週目に2560倍の最高値を認め,その後減少.

原因薬剤としては,1例のみDIHSの報告のあった硫酸クロピドグレルを被疑薬として,他の同時投与されていた薬剤を内服誘発テストにて否定し,同薬のDLST施行.症状発現後5週間で陰性,3ヶ月後に陽性となった.

DIHSは一般に糜爛症状はあっても軽いとされているが,本症例のごとく糜爛の強いものもあり,注意すべき症状と考える.

第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催