サラゾスルファピリジンによる1例 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・一般演題
薬物アレルギー1
座長:足立厚子(兵庫県立加古川医療センター)

P5-1-1.サラゾスルファピリジンによるdrug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS)の1例

吉田幸恵
鶴岡市立荘内病院皮膚科


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【症例】61歳,男性.

【現病歴】2008年秋より上肢,肩関節の疼痛を自覚し,近医整形外科にてNSAIDにて治療されるも軽快しなかった.

2009年4月にサラゾスルファピリジンとステロイド剤を処方され,疼痛は軽快傾向であった.

同年5月,全身に皮疹出現し,近医皮膚科へ紹介された.

薬疹疑いにてステロイド剤内服治療が開始されたが,高熱と全身倦怠感を伴ったため,5月13日当科を受診し入院した.

【初診時現症】紅皮症状態で,発熱,白血球増多と肝機能障害,表在リンパ節腫脹が認められた.

【診断】経過および現症よりサラゾスルファピリジンによるDIHSを考えた.

【治療】ステロイドパルス療法とガンマグロブリン投与を行った.

【経過】治療への反応は良好で速やかに軽快した.ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)をはじめとする各種ウイルスの再活性化の兆候は見られなかった【考察】原因薬剤,症状は典型的なDIHSと思われた.

HHV-6の再活性化が見られなかったのは,発症早期のガンマグロブリン投与の影響であり,経過が良好であったのも,ガンマグロブリン投与によってHHV-6等のウイルス再活性化が起こらなかったためと考えた.

第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催