・一般演題
薬物アレルギー・薬剤性障害3
座長:高藤 繁(国際医療福祉大学附属熱海病院内科)
P34.喉頭ファイバー検査施行直後に発症したアナフィラキシーの一例
鈴川真穂1) 原田広顕1) 川上綾子1) 纐纈力也1) 小宮明子1) 山田浩和1) 飯倉元保1) 山口正雄1) 三崎義堅1) 竹内二士夫1) 木村美和子2) 二藤隆春2) 山本一彦1)
東京大学医学部 アレルギー・リウマチ内科1) 東京大学医学部 耳鼻科2)
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症例は25歳女性.2005年2月嗄声で発症した声帯乳頭腫に対し他院で加療を受けていた.
8月当院耳鼻科を紹介受診.喉頭ファイバー開始約15分後にアナフィラキシー症状(呼吸困難感,蕁麻疹,血圧軽度低下,脈拍上昇)が出現したが,加療で改善した.
原因検索のため内科入院.血清総IgE軽度高値(340IU/ml)を認めた.ファイバー施行時に用いた塩酸リドカイン液,リドカインゼリー,ラテックスでの即時型皮膚反応,チャレンジテストは陰性であったが,ファイバー消毒に用いたフタラール製剤1000倍希釈液で皮内テスト陽性であった.
患者好塩基球は純粋フタラールの刺激で脱顆粒を起こし,これが原因成分と考えられた.
健常人では皮膚テスト,好塩基球脱顆粒共陰性であった.
また健常人好塩基球と患者血清を用いた感作実験により患者血清中のIgEの関与が示された.
ファイバーの水洗を十分に行うことで,以降のアレルギー症状は出ていない.フタラールは近年医療機器消毒に広く使用されていることから,消毒後の洗浄を徹底して行う必要性が示唆された.
第18回日本アレルギー学会春季臨床大会 2006年5月開催
runより:こんな事もあるんですね、化学物質過敏症には消毒もキツイですが・・