感冒に対する小柴胡湯の有効性、安全性の評価 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:日本東洋医学会
http://www.jsom.or.jp/universally/

http://www.jsom.or.jp/medical/ebm/er/pdf/010006.pdf
漢方治療エビデンスレポート 2010
日本東洋医学会 EBM 特別委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース

呼吸器系の疾患(インフルエンザ、鼻炎を含む)
1. 目的
感冒に対する小柴胡湯の有効性、安全性の評価
2. 研究デザイン
二重盲検ランダム化比較試験(DB-RCT)
3. セッティング
1995年9月から1999年3月まで
大学病院10施設、病院42施設、診療所2施設
4. 参加者
発病後5日以上経過した感冒患者でかつ年齢は25才以上75才以下、口内不快(口の苦み、口の粘り、味覚の変化) 、食欲不振、倦怠感のいずれかを伴う感冒患者
5. 介入
Placeboは同一外観、同一性状。併用薬剤は原則的には禁止とし、3日以降にリン酸ジメモルファン(アストミン錠) を投与可
Arm 1: ツムラ小柴胡湯 7.5g 3× 131名
Arm 2: Placebo 7.5g 3× 119名
投与期間:1週間以内
6. 主なアウトカム評価項目
全般的な改善度(症状別改善度および患者の印象を総合評価) 、症状別改善度、安全性
7. 主な結果
ベースラインで頭痛、痰の量、痰の切れに両群で不均衡があった。
全般改善度は群間比較でArm 1はArm 2に優れ、5段階の評価で改善以上の率はArm 1 64.1%、Arm2 43.7%で有意に優れていた。

症状別改善度は、投与3- 4日後では咽頭痛、倦怠感はArm 1が有意に優れていた。投与終了時には痰の切れ、食欲、関節痛・筋肉痛はArm 1が有意に優れていた。
8. 結論
遷延する感冒で口内不快(口の苦み,口の粘り,味覚の変化) 、食欲不振、倦怠感のいずれかを伴う患者に対して、小柴胡湯は有用である。
9. 漢方的考察
対象患者は小柴胡湯の証の、症状が遷延する、口内不快にあわせている。
10. 論文中の安全性評価
小柴胡湯投与群が136名中10名(7.4%) 、プラセボ群132名中15名(11.4%) であった。両群とも重篤な副作用の発現は認められなかった。
11. Abstractorのコメント
漢方的な証に合わせた漢方薬治療の大規模DB-RCTである。
12. Abstractor and date
藤澤道夫 2007.6.15, 2008.4.1