・一般演題
気管支喘息 疫学・統計
座長:井上博雅(九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設)
P1-1-1.当院救急外来を受診した気管支喘息患者の検討
徳安宏和1), 武田賢一1), 河崎雄司1), 清水英治2)
松江赤十字病院呼吸器内科1), 鳥取大学医学部分子制御内科2)
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【目的】喘息では発作性の呼吸困難のため予定外で救急外来を受診する場合が多い.
喘息患者の時間外受診の現状を知り問題点を探るために当院での時間外受診の実態調査を行った.
【対象と方法】2007年1月より2008年12月の24ヶ月間を調査期間として喘息発作のため救急外来を受診した成人気管支喘息患者を対象としてカルテ調査による後向き検討を行った.
【結果】喘息患者は07年度は163例(全体の0.70%),入院が31例,08年度は153名(全体の0.73%),入院が19名であった.発作強度は軽度71%,中等度22%,高度4%,重篤3%.発作の誘引として40%が感冒であった.
入院症例50名のうち発作が高度,重篤が10例,8例あり,人工呼吸器使用例は5例で,喘息死は2例であった.
人工呼吸器使用例には全例吸入ステロイド(ICS)が使用されていなかった.【結語】当院においても2年間に気管支喘息発作の重篤例で2例の喘息死が認められた.
高度+重篤発作を生じた患者に対してのICSの使用頻度は低く,また無治療例も28%であった.
重篤発作で挿管例,人工呼吸器使用例は全例ICSが使用されていなかった.喘息患者に対して重症度に対応した適正な段階的薬物療法があらためて必要であると考えられた.
第22回日本アレルギー学会春季臨床大会 2010年5月開催