・○中西委員長 どうもありがとうございました。
皆さんの要求がすごく広くて、どのようにしようかなと非常に悩んでいるところです。
まず林委員の、今回、リスク評価の必要性をもう少し明確にしてほしいというのはそのとおりで、多分その線に従って今度の法改正ができると思います。
皆さんからいただきましたご意見を事務局に返しまして、ワーキンググループ2のところに反映させたいと思いますが、一番大事なことは、化審法の中のリスク評価をどうするかという議論だと思うのです。
リスク評価一般をどうするかという話ではなくて、化審法の中でリスク評価をどうすべきか。
そうすると、今になって後知恵みたいな、この事務局のペーパーが若干広過ぎたのかなという印象ももちます。
皆さんの議論もやや発散ぎみだし、どうやって皆さんのご意見を反映させること
ができるかなというのを、非常に苦しい思いで聞いていました。この辺は事務局とも相談しまして、もうちょっときちんとした形で議論を煮詰めていきたいと思います。
もう1つ、非常に重要なことは、浅田委員が言われた、ここでBtoBだとかBtoCだとか、こういうことを議論するのかというのは、産業界の方にとっては非常に大事なことだろうと思うのです。
安易にそんなところで議論されては困るというご意見ももしかしたらあるかもしれないので、そこも含めて、2のリスク評価の必要性というところは、化審法の中でリスク評価をどう位置づけるかというところに、できるだけ重きを置いて議論をしていくということに多分なるかなと思います。
その中で、多くの皆さんがいわれている問題についてのご説明ができるかということに多分なるのではないか。
いろいろなリスク評価を化審法の中だけで全部やっていくということはあり得ないので、全体の説明の中で、化審法はこのようにやりますという図が――皆さんからたくさんのご意見をいただいたものを、なるべくそこの中に事務局の努力で反映させていただいて、あるいはワーキンググループの先生方の努力で何とかしていただくということで、お渡ししたいと思います。
まとめ方も恣意的かもしませんが、申しわけありません。
その次、第3回のワーキンググループのテーマ、新規化学物質審査制度等のハザード評価方法のあり方、これは化審法にかなり特化した問題で、重要な問題かと思います。
どうかご意見いただきたいと思います。お願いします。若林委員、どうぞ。
○若林委員 私も新規物質等の評価とか審査に関係してきたのですけれども、前回の改定で生態影響が入ったというのは非常に喜ばしいことなのですが、生態影響でのエンドポイントとしては、長期毒性でハザードを評価するということになっております。
しかし、実際にはスクリーニングということで、水の中にすんでいる3種の生物への毒性でスクリーニングをします。その場合に、化審法の対象物質というのは水溶性が非常に低いものが多いのです。
専門的になって恐縮なのですが、ワーキンググループのメンバーではないので、ここで話しておかなければいけないので、申しわけないけれども、話させていただきます。
そうしますと、溶解度で毒性がないということで、全部安全側に行ってしまう。
その辺を何とかワーキンググループで、本当に長期毒性がありそうなものを外さないようなシステムを考えてほしい。
水に溶けないものは底泥に吸着するよう
なものも多いですし、何らかの方法でその辺をお考え願いたい。
もう1つ、暴露のことで、先ほどいえなかったので申し上げたいのですけれども、今後、POPsみたいな高濃縮性のものは業界さんもつくらなくなってくると思うのです。
これから問題になるのは、中濃縮性の物質ではないかと思います。
そういうものについて、ライフサイクル全般での使用形態とか、そういうものをチェックできるような体制も必要かなということを考えております。
○中西委員長 ありがとうございました。それでは、林委員。
○林委員 既にここにテーマとして挙がっているので、これ以上いわなくてもいいのかもわからないですけれども、要するにQSAR・カテゴリーアプローチの活用ということで、特にこの辺は、既存化学物質ですとか、低生産量、少量新規というようなところへの活用をどのようにできるのかというところを議論していただければいいと思います。
さらに、いいQSARのモデル等をつくるための教育データとして、ハザード評価結果の開示ということが上に書いてありますので、これはぜひ進めていただきたいと思います。
さらに考え得ることは、少しでも精度の高い評価のできるQSARモデルをつくるためには、データの開示でなくてもいいと思うのですが、もう一歩進んだ使用を何とかできるような道筋をつくっていただければと考えます。
○中西委員長 今のデータの使用というのは、例えば化審法で使われたという意味ではなく……。
○林委員 化審法で例えば新規登録などのデータを、QSAR等のより精度の高いものにするためのラーニングデータとしての使用をお願いしたい。
○中西委員長 西原委員。
○西原委員 今、林委員がいわれたことと非常によく似ているのですが、まず1つは、ハザード評価結果の開示というのがテーマにあります。確かに今いわれたように、QSARへの利用とかいうことで、新規化学物質のハザードデータがせっかく出ているわけです。
それについては、私は昔からいっているのですけれども、データの買い上げ、何年か前のデータでいいと思うのですが、お金で買う。
もう1つ、もしくは特許権、あるいは著作権という形で、そのデータを使わせていただきたいという具体的なことも、ワーキングとしてやりたいと思います。
もっと大事なことは、私、大学におりますので、教育といいますか、そういうところに対して、これは第3回だけでなくて、それ以外のところにも関係してくるのですけれども、そういうデータ、あるいはリスク評価の結果を開示なりしたときに、それを安心というレベルにもっていくためには、どうしても一般の方、あるいは関係の方にわかり易く解説する人といいますか、リスクコミュニケーターといいますか、そういった立場の人を育成してほしい。
これは非常に大きなことですけれども、中にもし入れられたらいいかなと思っております。