多種類化学物質過敏症候群(突発性環境不耐) | 化学物質過敏症 runのブログ

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・多種類化学物質過敏症候群は,環境中に一般に存在する関連性のない化学物質に少量暴露するだけで引き起こされる再発性,非特異的症状を特徴とする。

症状は非常に多彩で,しばしば多器官系に影響を与えるが,身体所見には特筆すべきものはない。

診断は除外をもって行う。治療は心理的支持,および認知されているトリガーの回避であるが,トリガーが限定されていることはまれである。

多種類化学物質過敏症候群には広く容認された定義はないが,一般的にこの症候群は,同定可能または同定不可能な化学物質(数は問わない)への暴露(吸入,接触,摂取)に起因する多彩な症状の発現で,臨床的に検出可能な器質的機能障害および器質的な身体徴候を伴わないものと定義される。

多くの理論が免疫学的にも非免疫学的にも展開されている。

提示された原因物質に対する一貫した用量反応の欠如;例えば,以前かなり少量で反応を惹起した物質への大量暴露後,症状が再現されない場合があることが,これらの理論に対する完全な障害となっている。

同様に,全身性炎症の一貫した客観的エビデンス,サイトカイン過多,または症状に関連した免疫システムの活性化が欠如している。

多くの医師は病因を心理的なもの,おそらく身体化障害の一形態であると考えている)。

他にも,この症候群は一種のパニック障害または広場恐怖症であるとする示唆もある。

この症候群のある一面は,今は使われなくなった心理学的診断である神経衰弱症に似ている。
診断ではまず,明らかなアレルギーおよび同様の症状を伴う他の既知の疾患を除外する(例,喘息などのアトピー性疾患,アレルギー性鼻炎,食物性アレルギー,および血管性浮腫)。アトピー性疾患は主な臨床病歴,皮膚プリックテスト,特異免疫グロブリンEの血清分析,またはこれら全てに基づき除外される。アレルギーの専門医に意見を求めることが必要な場合もある。

原因と影響の関係が未確定でも,治療は通常疑わしい素因を回避することであるが,多くの物質は広範に分布するため困難である。

しかしながら社会的隔離,および費用がかかる破壊的な回避行為は推奨されない。

心理学的評価や介入が功を奏する場合があるが,特徴的に多くの患者はこのアプローチに抵抗がある。

しかしながらこのアプローチのポイントは,原因が心理的なものであることを証明するのではなく,患者が苦痛に対処するための支援をすることである。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月