・ミニシンポジウム38
アレルギー性鼻炎―病態生理と治療4―花粉症の病態を中心に―
座長:松根彰志1), 藤倉輝道2), 野中 学3)(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科学1), 日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科2), 日本医科大学多摩永山病院耳鼻咽喉科3))
MS38-#4.スギ花粉症に対する代替医療による鼻粘膜ヒスタミン受容体発現への影響に関する検討
牧瀬高穂1) 松根彰志1) 原田みずえ1) 田中紀充1) 宮之原郁代1) 岡本美孝2) 黒野祐一1)
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科頭頸部外科1) 千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学2)
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近年,医師や医療機関を介さないスギ花粉症に対する予防法や治療法が商業ベースで宣伝されることが多くなってきた.その多くはエビデンスが不十分で,社会的問題となっている.
そこで,厚生労働省科学研究として,「代替医療の実施と科学的評価」(主任研究者,岡本美孝)が現在なされている.
また,当教室はスギ花粉症初期治療の有効性の機序の1つとして,鼻粘膜ヒスタミンH1受容体の発現について報告してきた.
今回,代替医療にヒスタミンH1受容体発現に対する効果が認められるかについて検討を行った.
代替医療として広く普及しているスギ花粉舌下エキスおよび乳酸菌タブレットとそれぞれのプラセボを準備し,二重盲検比較試験としてスギ花粉飛散前の12月より投与開始した.
さらに,鼻粘膜擦過細胞を花粉飛散前,飛散開始時,飛散開始後に採取し,ヒスタミンH1受容体mRNAの発現を評価し,アレルギー日記に基づく症状の推移などとともに比較検討した
実施した2つの代替医療の有効性とともに,鼻粘膜ヒスタミンH1受容体発現に対する影響の有無について,若干の文献的考察を加えて報告する.
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催