・ミニシンポジウム6
アレルギー性鼻炎―病態生理と治療1―免疫療法を中心に―
座長:岡野光博1), 洲崎春海2), 久保伸夫3)(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学1), 昭和大学医学部耳鼻咽喉科学2), 大阪歯科大学耳鼻咽喉科学3))
MS6-12.鼻アレルギーに対する局所療法の意義―ネブライザー療法の有用性―
大木幹文 川野まどか
東邦大学医学部第2耳鼻咽喉科
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鼻アレルギーの治療において,局所ステロイド療法は有効性が高いが,コンプライアンスは必ずしも良くない.
その原因としては噴射による刺激,液漏れなどが考えられている.
一方,鼻ネブライザー療法は日常外来診療では有益な治療法と考えられ,アンケート調査でも多くの施設で施行されている.
近年,携帯型ネブライザー装置が開発され,下気道疾患の改善でその有用性が認められ市販されている.
しかし,上気道疾患に対して応用の検討は少ない.
今回,この装置に経鼻ノズルを装着し,鼻アレルギー患者に対する治療に有益であるかを検討したので報告する.
対象としたのは,中等症以上の通年性アレルギー患者およびスギ花粉症患者である.使用したのは,メッシュ式ネブライザー装置オムロン社製NE-U22とフジRC社製LM-U01の2機種である.
被検者には,1日2回リンデロン0.1%液・生理食塩液混合液を1.4ml/回を自宅で吸入させた.効果の評価は,自覚症状の変化と鼻腔抵抗の変化とした.
2機種ともは全患者が,不快なく使用できた.
ネブライザー療法は薬剤の粘調性・吸着率など検討すべき課題があるが,特にフジRC社製の装置は,粘性の強い薬液の使用も可能となった.
メッシュ式ネブライザー療法は鼻アレルギーの局所療法として有益であると考えられた
第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催