東京都における花粉症の舌下減感作療法の臨床研究 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ミニシンポジウム6
アレルギー性鼻炎―病態生理と治療1―免疫療法を中心に―
座長:岡野光博1), 洲崎春海2), 久保伸夫3)(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学1), 昭和大学医学部耳鼻咽喉科学2), 大阪歯科大学耳鼻咽喉科学3))

MS6-#3.東京都における花粉症の舌下減感作療法の臨床研究

大久保公裕1) 廣井隆親2)
日本医科大学耳鼻咽喉科1) 東京都臨床医学総合研究所2)


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「はじめに」都民を対象に日本医科大学,都立駒込病院,都立大塚病院,都立広尾病院,公社荏原病院,遠藤耳鼻咽喉科アレルギークリニック,ヒロオカクリニックにおいてスギ花粉症に対する舌下減感作療法を実施した.

「方法」2006年夏に202症例のスギ特異的IgEが2以上で,経年的にスギ花粉症の症状を示すスギ花粉症ボランティアの応募があった.

舌下減感作療法は既に報告した方法(Allergology Int 2005;54:167)で行い,2000JAUまで増量し,2007年は維持量として1週間1回,季節以降は2008年秋まで2週間に1回の投与とした.

有効性をアレルギー日記とQOL調査で判定し,血清や血液のタンパク測定や網羅的遺伝子解析を行った.「結果」2006年の症状を把握できた188症例について評価をおこなった.

2007年の評価では15症例が中止となり,2008年には19症例が中止となった.2006年の症状を起点として,2007年では2段階以上の症状改善は41症例,1段階の改善49症例,2008年では85症例,1段階の改善27症例となった

.同じく変化なしあるいは悪化は2007年83症例,2008年42症例であった.バイオマーカーの検索などについては検討中である.

「まとめ」舌下免疫療法の治療効果発現のメカニズムは未だ明確な確証が得られていないが,今回の検討はその一部を解明するものである.

第59回日本アレルギー学会秋季学術大会 2009年10月開催