・一般演題
膠原病
座長:佐野 統1), 土肥 眞2)(1)兵庫医科大学内科学リウマチ・膠原病科, 2)東京大学医学部アレルギー・リウマチ内科)
MS8-6.肺病変先行型膠原病肺の臨床的検討
白濱龍太郎 倉持 仁 玉岡明洋 古家 正 宮崎泰成 磯貝 進 大谷義夫 稲瀬直彦 三宅修司 吉澤靖之
東京医科歯科大学 呼吸器内科
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【目的】肺病変先行型の膠原病肺では,特発性間質性肺炎群(IPF,NSIP,COP)や慢性過敏性肺炎との鑑別が問題になるためその臨床的特徴を明らかにする.
【方法】当院で2001年より2006年の間に経験した膠原病肺症例76例のうち,肺病変先行型症例の臨床像をretrospectiveに検討し,慢性過敏性肺炎症例と比較検討した.
【結果】膠原病肺76例の内訳は,RA49例(男性17例,女性32例),Sjogren症候群6例(男性1例,女性5例),SSc7例(男性1例,女性6例),DM3例(女性3例),MPN2例(男性2例),MCTD2例,他7例であり,肺病変先行型が23例(RA19例,Sjogren症候群2例,SSc1例,MPN1例)であった.
呼吸器内科受診者であるため,肺病変先行型が30%を占めており,画像,病理ともにNSIPパターンやUIPパターンを認めた.
一方,慢性過敏性肺炎でも約40%にリウマチ因子や抗核抗体が陽性となり,画像,病理ともにNSIPパターンやUIPパターンを認めたが,膠原病肺とは,小葉中心性粒状影,容積減少,蜂巣肺の分布,気管支血管束の変化などに差が見られた.
2例は慢性過敏性肺炎を合併したRAであった.
【結論】肺病変先行型膠原病肺において,各膠原病の画像上特徴的所見を呈する例は,慢性過敏性肺炎と鑑別可能である.
第56回日本アレルギー学会秋季学術大会 2006年11月開催