■法的な整備、制度面での課題
小規模金採鉱者は、法的、制度的な問題にも直面しています。
フィリピンの法律は時代遅れで、国民に十分な保護を与えないものです。
制度を変えようにも資金的な負担が必要です。
特定の地域を区切って、小規模金採鉱者用に設定することが求められています。
資源のある場所はむしろ大規模な事業者に認可が下り、小規模採鉱者は排除されるという構図が繰り返されています。
するとますます小規模採鉱者が、違法に大規模事業者の区域に入って行くことになります。
法的な整備、制度面での課題があります。
環境資源庁に水銀の使用量や保有量がどれくらいあるのか聞いても、具体的な回答はないでしょう。
なぜならそのような情報がそろっていないからです。
■世界の水銀供給の流れを止めること
勧告についてお話します。
まず、水銀の世界の供給の流れを止めること。
そのためには、水銀の一次採鉱をやめること、それにより小規模金採鉱者はほかの道へ歩むよりほか選択肢がなくなります。
そうすることにより彼らを守れます。
また、水銀の供給にかかわるところでは、アメリカ、EUが輸出をやめるので、日本がそれに追随することを我々は求めています。
輸出すると、その用途に関しては輸出国が管理することはできません。
日本の水銀が何に利用されているか、フィリピン国内では水銀の容器には輸出国は書いてありません。
水銀を使用しない適切な金遊離技術を調査するための研究を行うこと。
技術と金採鉱がうまく合致することが必要です。
十分な資金を提供し、適切な機器を提供する。
労働者を公式な団体に組織化することで、搾取を減らすことができます。
非合法の労働者であることで、調査もむずかしくなります。
一貫した国の政策を策定すること、地域における採鉱規制委員会を強化すること、採鉱者、その家族、影響を受ける地域社会に、水銀の有害性の意識向上を図ること。
彼らは水銀の有害性について知らないのです。
(文責:化学物質問題市民研究会)
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