・■魚、水質、子どもや住民が高濃度レベル
水銀とその影響に関するフィリピンの研究についてお話します。
ダバオ湾では、子どもたちのIQが下がっていることが分かります。
特に弱いのは、胎児と新生児です。
パラワンの閉鎖された水銀鉱山近くの住民と地域社会の健康と環境リスクの調査が行われています。
魚類4種が、魚における総水銀およびメチル水銀の基準レベルを超えています。
魚類2種はメチル水銀の基準レベルを超えています。
曝露地域の子どもと赤ちゃんは高いメチル水銀レベルだということが分かりました。
UNIDO(国連工業開発機構)による別の調査では。
ティワルド、モンカヨ、コンポステラ渓谷の地域、主要な河川の水銀レベルは、飲料水および水生生物保護のための水質基準を超えています。
河川の底質および浮遊沈殿物の水銀濃度は水生生物保護のための基準を超えています。
ディワルワルの採鉱労働者および影響を受けた村人は水銀中毒の深刻な症状を抱えています。
体内の濃度がひじょうに高く、サポートを受けています。
アポコン、タグムにおいては、学童の水銀レベルがひじょうに高いことが分かりました。
これは無機とメチル水銀の同時曝露のためです。
魚類3種でWHOの淡水魚中の水銀濃度基準を超えています。このデータを皆様に提示しているのは、どの研究でも同じ結果になっているということを示すためです。
多くの魚種が水銀の影響を受けている、学童の水銀濃度が高くなっている、このような事実から、フィリピン政府に注意喚起を呼びかけたいと思っています。
■シアン化物汚染や暴力、未成年者労働
小規模金採鉱による影響は、まず水域と海洋生物への水銀とシアン化物による汚染が深刻です。
ほかにも、さらに掘り下げるために坑道を支えるために、木が伐採されます。これらを現状に復旧させる努力はされていません。
土壌浸食が洪水をもたらし、土壌の生産性も喪失しています。
野放しの移民が起きていて、地域の食料、水の供給に支障をきたしています。
ゴールドラッシュにより、土地所有争いが起きています。
大規模な金採鉱事業者と小規模な金採鉱者との間に争いが起きています。
大規模事業者が採掘権を政府から獲得しているので、小規模金採鉱はほとんどが非合法に行われています。
資金的に不十分なため、法的な採掘権を得ることができないのです。
そのため大規模な採掘の周りで小規模な採鉱が行われることなります。
大規模事業者は権利を小規模採鉱により浸食されるとして、紛争の解決は警備員などを使った暴力的なものになります。
暴力が多発し、酔っ払いのような不道徳な行為も増大します。
十分な医療もなく、健康への懸念があります。
大半が資源のあるところに次々と移る移動労働者で、違法労働者です。
十分な健康と安全のサービスを得ることができません。
十分な機材ももたず山の中で坑道を掘って採掘します。
搾取の問題もよく見られることです。
労賃が安いので、事業者は大人より未成年者を雇う傾向があります。
未成年者に対する社会的保障はありません。未成年者や家族への水銀中毒が深刻になっています。