・■朝日9月20日 行き場失う焼却灰 秋田の町、搬入拒み2カ月 セシウム検出 松戸市、新たな受け入れ先探す
民間最大規模のごみ焼却灰処分場のある秋田県小坂町が、首都圏からの焼却灰の受け入れを7月から拒んでいる。
きっかけは、国の基準を超える放射性セシウムが検出された焼却灰が、連絡のないまま千葉県松戸市かち運び込まれ、埋め立てられたことだ。
町に灰を受け入れてもらっていた首都圏の自治体では、放射性物質を含む灰が行き場を失い、山積みになっている。
発端は7月11日、松戸市内のごみ焼却施設の灰から埋め立て処分に関する国の当時の基準値(1キロあたり8千ベクレル)を上回る同1万500ベクレルの放射性セシウムが検出されたことだった。
松戸市は小坂町に連絡するとともに、焼却場からの搬出を止めたが、貨物列車で輸送中の灰の埋め立て中止の措置はとらなかった。
その結果、検査開始後の灰を含め高濃度セシウムを含む計約40トンが町で埋め立てられた。
「排出元自治体としての責任を軽視した、極めて遺憾な対応だ」。
8月3日、町は灰の受け入れ合意書の破棄を松戸市に通告した。8月8日にはJR大館駅(秋田県大館市)に留め置いていた残りの灰を松戸市に送り返した。町によると、処分揚の運営会杜DOWAグループ(本杜・東京)は7月13日までに首都圏十数の契約自治体に運搬停止を連絡した。
人口約6千人の小坂町はかつて鉱山で栄えた。処分揚は埋め立て容量が270万立方メートルに及ぶ。小坂鉱山を運営していた会杜の流れをくむDOWAが2004年に造り、現在は全国約30自治体から年間約6万5千トンの灰を受け入れている。
鉱業技術を活用した資源循環に力を入れ、「環境の町」を掲げる町にとって、騒動のダメージは大きい。
エコをうたった特産の菜種油や桃豚は人気が確立。木造芝居小屋「康楽館」には年問8万人が訪れる。町は風評被害を心配した。
町は9月2日、DOWAが搬出時や受け入れ時に同社や排出自治体が放射線量を測定するなどとした管理計画書を提出したため、受け入れ再開を認めた。だが議会から「拙速だ」などの声が上がったため、住民説明会を13日から始めた。
住民からは「問題が起きてから引っ越すという人もいる」「なぜ再開を急ぐのか」などの意見が出ている。
説明会は20日までの予定。町は町議会最終日の22日に再開の具体的な見通しを示す可能性がある。
05年から灰を小坂町に受け入れてもらっていた松戸市は弱り切っている。東京のベッドタウンとして発展を続け、人口は約48万人。
今年度も発生見込みの焼却灰1万5700トンのうち半分以上を小坂町で処分する計画だった。
基準を下回る灰の多くは他の処分場で処理しているが、行き場のない高濃度の放射性セシウムを含む灰約52トンは同市の2カ所の焼却場に置かれ、毎日少しずつ増えている。
同様に灰を運べなくなった千葉県流山市の焼却場には約360トンがある。両市とも防護措置を取っている。
仮保管場所の限界が近づく中で、環境省は8月末、汚染された焼却灰についてセメントで固めるなど地下水への流出防止措置をとれば、1キロあたり10万ベクレル以下なら最終処分場への埋め立ては可能とする方針を決めた。
しかし処分場のある自治体や住民の了解がなければ事態の進展は望めない。
松戸市は二度と同じ事態が起きないようなルール」を作るとし、新たな受け入れ先を探している。
さいさま市は埋め立て処分する焼却灰の3割強、昨年1万2千トンを小坂町に搬出していた。当面は市内の最終処分場に埋め立てることでしのげるというが、長期化を心配している。(江川慎太郎、園田二郎)
runより:古い順から記事を見てもあまり復興は進んでないようです。
大問題のガレキ・・・どうなるかが今後を左右しそうですね。