自閉症と水銀の関係:シリーズ(1)10 | 化学物質過敏症 runのブログ

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4.魚介類摂取の有用性
e 血漿中の脂質の大部分は蛋白質と結合してリポ蛋白の形で可溶化して存在する。

リポ蛋白質は超遠心法により比重の違いによって、HDL,LDL等に分けられる。
1991~1992年に生まれた7,421人のイギリスの小児のコホートにおいて、妊娠期間における妊婦の魚の消費と小児における言語やコミュニケーション技術の発達に関する調査が行われた。 母親と小児の魚の消費についてはアンケートにて、小児の認知発達については15ヶ月齢における

MacArthur Communicative Development Inventory、18ヶ月齢におけるDDSTにて調べ、1,054人の小児の臍帯血水銀濃度についても調べられた。

その結果、総水銀濃度は低く、神経発達とは関連がないことが明らかになった。
また、妊婦と小児の魚の消費量と発達スコアの間に関連が見られた。例えば、一週間に4回以上魚を消費する母親の子供では、MacArthur Comprehensionの調整した平均値は72(95%信頼区間=71~74)で、魚を消費していない母親の子供では68(66~71)であった。

このことは、妊娠期間における妊婦の魚の消費と小児における言語やコミュニケーション技術の発達に関連があり、適切な魚食はその発達に良い影響を与えるものと考えられている(Daniels et al., 2004(16))。
また、米国科学技術アカデミーの米国研究評議会(National Research Council:NRC)のメチル水銀の毒性的影響に関する委員会では、魚がビタミンD、オメガ-3(n-3系)多価不飽和脂肪酸、タンパク質、セレン並びに一部の食事には十分含まれていない他の栄養素を豊富に含むことなど、魚を多く摂取する食事の栄養学的優位性を認識し、魚を習慣的に消費することにより、心血管疾患、骨粗鬆症、がんをある程度予防できる可能性があるとしている(NRC(7))。
これにより、魚は妊娠、小児、成人の健康に有用と考えられるので、生物濃縮が起こりにくい小型の魚類(イワシ、アジ等)は摂取は推奨されても、制限される必要はないと考える。