市街地・公共施設での農薬被害について2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・■図書館など施設内でも農薬散布
 問題は屋外だけではありません。

施設の中でも薬剤が使用されています。
 2年ほど前のことになりますが、近くの図書館に行ったところ、入ってすぐに嫌な感じがしました。

娘も変なにおいがすると言ってすぐに図書館を出ましたが、体がだるくなり、起きられなくなってしまいました。

このときもすぐにはわからなかったのですが、後に有機リン系の農薬が使用された翌日だったことがわかりました。
 図書館は幼児や児童も頻繁に利用する施設です。

そういう施設内でPRTR法第1種に指定されているような危険な薬剤を使用してもよいものでしょうか。
 建物内については、2003年に改正された「建築物衛生法」では、生息調査が義務付けられています。

また、「建築物における維持管理マニュアル」には日常的に乳幼児がいる区域では、薬剤散布を避けることなどが書かれています。

それが、周知徹底されていないのです。

■千葉県内22市町調査でも違反事例
 このような例は少なからずあります。
 私が参加している「有害化学物質から子どもの健康を守る千葉県ネットワーク」では、千葉県内の22市町に使用している化学物質(主に農薬)についてのアンケートを行い、冊子にまとめました。
 これをみると、事前に周辺に周知することなく、農薬が散布されていたり、1000倍に薄めて使用しなければならない農薬を800倍の濃度で散布していたり、有機リンを2種類混ぜて散布していたり、公民館などで施設全体に年2回漫然と定期的に同量を散布していたりといった事例がありました。
 昨年、CS発症者で国に要望書を提出したときにも、農林水産省の担当者は「農薬は適正に使用すれば、安全で何ら問題ない」との一点張りでしたが、その適正使用すらされていないのが現状です。


■有機リン系農薬が85%占める
 また、使用されているのは、圧倒的に有機リン系農薬です。今年、私が参加している「生活環境を健康にする会」では、千葉県の県立学校と県立公園における農薬の使用状況を調査しました。これは、その内の県立学校の使用状況です。

計158校のうち、農薬の使用は92校でした。

その使用農薬をグラフにしたものがこれです。有機リン系農薬(青色部分)は、全体の85パーセントも占めています。
 昨年5月にアメリカの小児学会誌に「有機リン系農薬を低濃度でも摂取した子どもは、ADHDになりやすい」と発表されています。

他のアメリカの大学の研究でも、母体内で曝露した子どもは就学年齢前後のIQが低くなるともあります。

さらに、EUでは、その危険性からほとんどの有機リン系農薬が使用禁止になっています。
 日本でも、PRTR法第1種に指定されているものや劇物に指定されているものがたくさんあります。
 このように危険な農薬を、未来ある子ども達の身近な場所で使用してよいものでしょうか?