校庭除染 急ピッチ2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ 5日昼過ぎ、福島県南相馬市にある原町第一小学校の通学路に市職員ら約20人が集まった。

原発から20~30キロ圏の緊急時避難準備区域。職員が高圧洗浄機で歩道のアスファルトを洗い流していく。

「下がるなあ」。職員が口々に言う。毎時0・92マイクロシーベルトが0・51マイクロシーベルトに減った。

年間の積算線量をミリシーベルト以下にするのが目標だ。

「O・5って、年間だとなんぼだべ?」。職員の疑問に、関場清・土木課長が「O・11まで落ちねば、ダメだ」。ため息が漏れる。

目標達成は容易でない。当面は半減を目指す。

市は緊急時避難準備区域の解除に向け、8月と9月を「除染強化月間」と位置づけている。

復興には区域の解除が欠かせない。

それにはまず除染が必要だ。

同区域内でラーメン店を営む渡辺進さん(44)は、妻、4人の子どもを大分県別府市の妻の実家に避難させたまま、店を再開した。

「除染が終わらないまま2学期が始まったら、家族が戻ってくるのがますます遠のく」。

今月末、地元の人たちと学校の遊具などを除染する。

「線量は下がっていくんだという安心感を得たい」。その先に、家族との暮らしが待っている。(村田悟)


福島の5000団体、補助申請
 福島県は、除染に取り組む団体に50万円を限度に補助する制度を始めた。申請は、5日時点で県内59市町村のうち39市町村にある4928団体にのぼる。申請しているのは町内会やPTAなどだ。

原発がある浜通り地方、比較的放射線量が高い地域を抱える福島市や郡山市などの中通り地方に加え、線量が低い会津地方の11市町村の団体も合まれる。

県は▽放射線の影響をより受けやすい子どもの安全を守るため、原発事故前の自然線量に近づけたい▽農産品などの風評被害を滅らすため除染の実績をアピールしたい――といった思いが各団体にあるとみる。

ただ、除染によって汚水や汚泥、廃棄物も生じる。

町内会などがその保管揚所や処分先を見つけるのは難しい。

これまでに地域を挙げた本格的な除染を実施できているのは福島市の一部地区だけという。(大月規義)

千葉の幼稚園 独自に土除去
 福島第一原発から約200キロ離れている千葉県の柏市や松戸市などは市の発表で毎時0・3~0・4マイクロシーベルト前後になる場所がある。

福島県発表のいわき市(同O・2マイクロ程度)を上回る。千葉県が発表する市原市の同約O・04マイクロに比べ一桁高い。

放射性物質が他よりも多く降り注いだ「ホットスポット」と呼ぱれる場所だ。

千葉県柏市の私立みくに幼稚園で8日、杉山智園長らが花壇の表土をはがして古い浄化槽の中に埋める作業をした。

花壇は毎時約O・4マイクロシーベルトだった。

園庭の放射線量は0・1マイクロシーベルト。

これは5月の測定で0・4~O.5マイクロシーベルトだったので表土の入れ替えをしたためだ。

杉山園長は「子どものために実行可能なことはやらざるを得ない」という。

柏市など6市は対策協議会を開き「低滅策が国の財政支援の対象になる毎時1マイクロシーベルトを上回る地点は確認されなかった」などとの中間報告を7月にまとめた。

柏市は小中学校などで線量を細かく測定し、線量が高い場所は清掃や草の除去をするというが、校庭の表土の入れ替えなど大規模な工事の計画はない。子どもの被曝を心配する親らが約1万人の署名を集め校庭や公園で土砂の入れ替えなどを求める要望書を6月に柏市に出した。

その一人、主婦の大作ゆきさん(33)は「市の動き方は鈍い」と批判する。

大作さん自身は10日、1歳と3歳の2人の子どもとともに大分県に一時避難した。(編集委員・浅井文和 )