・■朝日8月2日 腐葉土汚染問題 肥料の基準値 農水省が通知
高濃度の放射性セシウムに汚染された腐葉土が各地に販売された問題を受け、農林水産省は、落ち葉などの植物や牛ふんを使った肥料の放射性セシウムの基準値を1キロあたり400ベクレルと定めた。
1日付で全国の都道府県に通知した。数値を超える場合は、田畑への利用や販売をしないよう求めている。
秋田県のホームセンターなどで1キロあたり1万ベクレルを超える腐葉土が販売されていたが、肥料の基準値はなかった。
肥料は、落ち葉や樹皮など様々な原料を混ぜ合わせて作るため、基準値は製品段階で設定した。
ただ、各県の放射性物質の検査態勢には限りがあるため、原発事故後に収集されて汚染された可能性がある落ち葉や樹皮、稲わらを食べた牛のふんの利用は避けるよう呼びかけている。
農水省は併せて、家畜に与える配合飼料の基準値を1キロあたり300ベクレル、魚の養殖用のえさは同100ベクレルに設定した。
■朝日8月2日 コメ検査2段階で収穫前後、市町村ごと 農水省方針
検査の実施主体となる自治体に統一的な手順を示すもので、近く通知する。
鹿野道彦農水相は2日の閣議後の記者会見で「今週中に公表したい」と述べた。
収穫前の検査は予備検査と位置づけ、土壌の放射性セシウム濃度が1キロあたり1千ベクレルを超す地域▽空間放射線量が平常時より高い地域-を対象とする方向で検討している。
空間放射線量については毎時0・1マイクロシーベルトを目安とする。
予傭検査は収穫の1週間~10日前に実施する。
1キロを玄米の状態にしてセシウムの含有量を調査。
基準は1キロあたり200ベクレル程度とすることを検討中で、その数値を超えた市町村には収穫後の本検査の検査地点を増やす。
本検査の結果が出るまで、農家には出荷しないよう求める。
1キロあたり500ベクレルを超えた場合はその市町村のコメを出荷停止とする。解除の条件は設けず、出荷停止となった市町村では、今年の収穫分の出荷は認めない方針だ。
農水省は4月に土壌の値が1キロあたり5干ベクレルを超す場所でのコメの作付けを禁止しており、検査は収穫後に実施する予定だった。
その後、お茶や稲わらの汚染をめぐって後手の対応が続き、汚染牛肉の市場流通を招いたため、収穫前から調べることにした。
食品の放射性物質検査は各自治体に任されている。
だが、コメは日本の主食で年間を通して食べるため、国として検査方針を明確にした。農水省はすでに東北・関東地方の都県と新潟県などに検査方針を伝え、各都県は検査態勢の検討を始めている。
千葉県では近く早場米の収穫が始まるため準傭を急いでいる。(井上恵一朗)