・【遺伝毒性及び発がん性】
遺伝毒性試験については、多数のin vitro 及びin vivo 試験で陽性が示され
ている。
in vitro 試験では、サルモネラ菌で変異原性を示し、UDSや遺伝子突
然変異を誘発し、哺乳類細胞のDNAと付加体を形成した。
また、ヒトリンパ芽球において、主に動原体染色されない小核の誘発が認められている。
in vivo試験では、ラット及びマウスのDNA結合試験で陽性であり、キイロショウジョウバエで体細胞突然変異や伴性劣性致死突然変異の誘発が認められている。
また、雄のマウスのDNA 損傷試験において、7 種類の臓器(胃、肝、腎、膀
胱、肺、脳、骨髄)すべてにおいて、陽性であった。
発がん性試験においては、78週間の強制経口投与試験において、ラットでは、
前胃の扁平上皮がん、循環器系の血管肉腫及び乳腺腺がん、マウスでは、乳腺腺がん、子宮内膜間質の肉腫及び肺胞/細気管支腺腫の有意な発生率の増加が認められている。
以上、現時点において得られている知見からは、1,2-ジクロロメタンは、遺伝毒性発がん物質である可能性が高いと考えられる。
上記の論点を踏まえ、1,2-ジクロロエタンは、遺伝毒性発がん物質である可
能性が高く、耐容一日摂取量は設定できないと判断した。
しかし、WHO 飲料水水質ガイドラインでは、発がん物質であっても10-5を無視し得るリスクレベルと判断している。
清涼飲料水の1,2-ジクロロエタンの基準値を設定する際には、過剰発がんリ
スク10-5レベルであるWHO における30 μg/L、EPA及び水道水の水質管理目標 4 μg/L を勘案し、実現可能なレベルでできるだけ低く設定することが重要である。
runより:このシリーズはとても多いので大幅にカットしてます。
なるべく分かりやすくしたつもりでもこんな感じです(^▽^;)