清涼飲料水に係る汚染物質:1,2-ジクロロエタン2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・② 分布
1,2-ジクロロエタンは、吸収後、ヒトの体内で広範囲に分布される。

1,2-ジクロロエタンの急性経口毒性によって死亡したヒトの臓器を分析した結果、脾臓の濃度は、1~50 mg/kg体重であり、胃の濃度は、100~1,000 mg/kg体重であった。

肝臓、腎臓の濃度は、胃の濃度の10分の1未満であった。
同様に、吸入及び経口暴露の実験動物において、広範囲に分布が認められた。

血液、肝臓、腎臓、脳、脾臓にも分布が認められたが、脂肪組織において最高濃度を示した。

1,2-ジクロロエタンを25、50、150 mg/kg体重(溶媒:コーンオイル)単回経口投与したラットにおいて、最高濃度に達した時間が最も短かった臓器肝臓であり、最高濃度を示した臓器は脂肪組織であった。脂肪組織の最高濃度(それぞれ低・中・高用量において、110.7、148.9、259.9μg/mL)は、45~60 分でみられ、血液での濃度の3.9~8.3倍以上であった。

一方、暴露10 分後にみられた肝臓の最高濃度(それぞれ低・中・高用量において、30.0、55.0、92.1 μg/mL)は、血液での濃度の1.3~2.2倍以上であった
③ 代謝
利用可能なデータから、1,2-ジクロロエタンは主に二種類の経路を通して代謝されることが示唆される。

1つ目の経路は、CYPが介在する2-クロロアセトアルデヒドと2-クロロエタノールへの飽和ミクロソーム酸化及びそれに続くグルタチオンとの抱合を伴う経路である。

もう1つは、グルタチオンとの直接抱合によるS-(2-クロロエチル)グルタチオンの生成を伴う経路で、これは非酵素的にグルタチオンエピスルホニウムイオンに変換される。

このイオンは、タンパク質、DNA及びRNAとの付加体を形成することがある。DNA損傷はin vitro でCYP経路により誘発される。

しかし、いくつかの証拠から、グルタチオン抱合経路は、CYP経路より主要なDNA損傷経路であり、この代謝物の増加が高用量時における1,2-ジクロロエタンの毒性の原因となっている可能性がある。