◆場はいかにして生成されるか
われわれは毎日、家庭や職場で、あるいは余暇の際にも、電気装置・機器を使用している。
そして電気が使用されるときにはいつも、たとえば高圧送電線、発電所支所および変電所のすぐ近くで、電場と磁場が生成される。
しかしそれらの場は、家庭・事務所・工場などの電気機器によっても生成される。
装置が導線とプラグを通じて電力供給につながると、すぐに電場が発生する。スイッチが入るとすぐに電流がながれ、そのことにより、すでに存在している磁場に加えて、新たな磁場が発生する。電力供給が50ヘルツの交流でなされていれば、電場と磁場も50ヘルツの周波数を持つことになる。
電場と磁場の性質はある点では同様であり、たとえばこのふたつはいずれも、放射源からの距離が増えれば急激に弱まる。
しかし遮蔽に関しては両者の性質は非常に異なる。電場がかなり容易に遮蔽されるのに対して、磁場は事実上すべての物質を通過するので、その遮蔽は、特殊合金のよろいや厚いアルミニウム板を持ってしても、かぎられた程度までなされるにすぎない。
高架線からの磁場
磁場の強度はマイクロテスラで表示される。高圧送電線においては、電流が大きくなり、電流を運ぶ導線からの距離が増すにつれて、その場所で生成される磁場は大きくなる。最も強烈な曝露は、導線が地面に最も近いところである、2 本の鉄塔の中間で起こる。
しかしその水準は、送電線と電流の設計によって変化する。磁場は送電線からの距離が増すと弱まる。
つまり導線が地面から高いところにあるほど、磁場は弱くなる。
複数の回路からなる送電網、または互いに平行に走行する電力線の場合には、各回路の磁場が、互いに弱め合ったり、強め合ったりしうる。
したがって、位相を最適に調整することにより、磁場強度を下げることが可能である。