世界に広がるミツバチ大量死 | 化学物質過敏症 runのブログ

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ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin03_53_07.html
NEWS LETTER Vol.62

・世界に広がるミツバチ大量死
―欧米諸国の対応―理事 水野 玲子
ミツバチ大量死とネオニコチノイド
1990年代半ばよりヨーロッパ諸国で始まったミツバチ大量死は、2010年現在、カナダやアメリカ、中国、台湾、インド、ウルグアイ、ブラジル、オーストラリア、そして日本など、全世界的な広がりをみせている。

原因はウイルス、ダニ、農薬、ストレス、地球温暖化、栄養失調など、さまざまな要因が絡み合って起きていると推測されているが、それら諸要因の中で最も直接的な要因と疑われているのがネオニコチノイド系農薬である。
(1)ドイツ
このネオニコチノイド系農薬に対する対応として、早急に対策を講じたのはドイツである。

2008年春に南部地域で起きたミツバチ大量死を受けて、ドイツ連邦消費者保護・安全局(BVL)は、ナタネやトウモロコシに使用されるネオニコチノイド系農薬(8種類)を含む種子処理剤の登録を全面的に取り消した。
(2)フランス
フランスでは、ネオニコチノイド系農薬のひとつであるイミダクロプリドによるヒマワリやトウモロコシの種子処理を禁止した。

目下、フランスではこうした対応だけでなく、さらに自国農業の在り方を見直すための抜本的改革を模索している。
(3)イタリア
フランスに続きイタリアでは、イミダクロプリドの他にも、クロチアニジンやフィプロニルによる種子処理を禁止した。
(4)イギリス
イギリスは、健康なミツバチを維持するための10カ年計画を発表し、民間と国がミツバチ問題解決のために多額な研究資金を提供することとなった。
(5)アメリカ
米国では、クロチアニジンなどのネオニコチノイド系農薬のミツバチに対する毒性が環境保護庁(EPA)の農薬評価書に記載されながら、これら農薬の規制に踏み切れない状況にある。

以上のようなミツバチ問題への対応は、各々の国の農業や農薬、生態系保全などへの考え方の違いを反映した結果となっている。
日本の対応は
日本は、今のところ、不足したミツバチをどう間に合わせるかといった、きわめて近視眼的な対応にとどまっている。

ネオニコチノイド系農薬の危険性を問題としていないだけでなく、ミツバチ不足問題が今後引き起こす可能性がある食糧問題や、農業の在り方などを見直す対策には、一切向き合おうとしていない。

以下、各国の状況と対応を簡単にまとめてみよう。