ゼオライトは、ケイ素とアルミニウムが酸素を介して結合した構造をした結晶化合物で、分子レベルの孔が無数に空いています。
ブクブクと泡立つのは、この孔に吸着された空気やガスが沸騰した際に放出されるからです。
ゼオライトの骨格となっているケイ素(Si)は+4価で-2価の酸素(O)とSiO2という組成でバランスが取れます。
しかし、もうひとつのアルミニウム(Al)は+3価なので、アルミニウムが骨格に入ると、陽の電荷が1つ不足することになります。
これを補うため、ゼオライトの骨格中には、ナトリウム(Na)やカリウム(K)、カルシウム(Ca)等の陽イオンが含まれています。
これらの陽イオンの数は、アルミニウムの比率が高いほど多くなり、ゼオライトの種類によって異なっています。
ゼオライトの特徴は、内部に空洞や細孔が多数あることです。
あなだらけであることで表面積が非常に大きく、ゼオライト1グラム当たりの表面積は、なんと畳一畳分にも相当するとされています。
その分たくさんの物質を吸着することができます。
同じ様に吸着力が高いものとして、シリカゲルや活性炭が上げられますが、ゼオライトの場合、高温、低圧といった不利な条件下でも吸着が良いという特徴があります。
そのためゼオライトは、水や土壌から有害物質を除去するのに適しているのです。
そして、ゼオライトには触媒として、様々な化学反応を補助して、さらにその反応を良くする働きもあります。
これはゼオライトの広い表面積と吸着効果によるものです。
無数の細孔が反応させたい物質を狭い空間に閉じ込め、表面積の広さが化学反応を助けるのです。
さらに、ゼオライトにはイオン交換の能力もあります。
ゼオライトに含まれている陽イオンは、他のイオンに交換することが容易で、高温等の条件下でも利用できますから、イオン交換樹脂では不向きな条件下でも使用することができます。
例えば、海や湖沼のリン化合物汚染が問題となったとき、リン化合物に変わってゼオライトが洗剤に加えられました。
洗濯洗剤の成分表に記載されている「アルミノケイ酸塩」というのがゼオライトの事です。
洗濯中の水は、汗などから出るCaのため、硬水に近い状態になっていて、この状態は洗剤の能力を下げてしまいます。
しかし、ここにゼオライトを加えると、ゼオライトの持つNaとCaのイオン交換が起こるので、水が軟水に変わり、洗剤の能力が下がることを防ぐのです。
ゼオライトは、このようにさまざまな能力を持っていて、色々なところで利用されているのです。