「出典」Dr林のこころと脳の相談室
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ダイエットをきっかけに拒食症になる人が増えています
スリム志向の現代、ダイエットをする人はとても多くなりました。
ダイエットをしてもなかなかうまくいかないのがむしろ普通ですが、反対に体重が減りすぎてしまうことがあります。
そうして栄養失調の状態になってもほとんど食べることができず、それどころかさらに体重を落とすことにこだわるのが拒食症です。
拒食症は命にかかわる病気です
自分の意志で食べずにいてやせていくのを病気といわれてもピンとこないかもしれません。
ご家族が拒食症かな、と思ってもまさかそれが餓死につながるとは考えないでしょう。
甘いです。
拒食症の数パーセントは飢えのために亡くなります。
死には至らない場合でも、成長期の栄養失調はあとあとの障害につながります。
拒食症は若い命にかかわる重大な病気なのです。
一見元気にみえても安心できません
外見は重病のイメージとはだいぶ違います。
本人は寝込むどころか活動的で、学校の勉強や仕事もふつう以上にやっているので、つい軽く考えてしまいがちです。
拒食症の人は体重が増えることへの強い恐怖心があり、少しでもやせようとして積極的に運動することもよくあります。
ところが実際には、心臓や血液などにたくさんの障害があり、全身ボロボロといってもいい状態になっています。
からだを維持するための基本である食べ物をとらないのですから当然のことです。
拒食症になると自分のからだが見えなくなります
いくら元気に見えても、文字どおり骨と皮のようになったからだは危機感を抱かせます。
ところがそれを見ても本人は自分がやせているとは思いません。
自分のからだが見えないのです。
それどころかもっとやせようとして、食べたものを吐いたり、下剤をたくさんのんだりします。
からだは悲鳴をあげています。
こころも悲鳴をあげているのかもしれません。それが見えないのです。
行動療法や精神療法が必要です。